山村暮鳥詩集「土の精神」についての電子化方針の変更について
山村暮鳥詩集「土の精神」を本日より電子化注し、既に十一篇を数えているが、今回は、実際に刊行された詩集の本文と、彌生書房版全詩集の本文との間に有意な異同が存在し、それが看過出来ないほど著しいものであることが判ってきた。遺憾乍ら、後者は底本や校訂凡例などが全く明記されていないとんでもない全詩集であるため、推理するしかないのであるが、どうも、この暮鳥没後に刊行された詩集「土の精神」パートに限っては、刊本に編者による手が有意に加えられていることが、残存する原稿などから知れたために、それらに依拠して新たに活字化されているものと考えざるを得ない(既に公開した私の注の「不審」とするところ、太字・下線のところを参照されると合点されるものと思う)。されば、本詩集に関しては、注で、彌生書房版の当該詩を詩集本文と照応させて漢字の正字化を行ったものを、洩れなく(全く違いがないものでも)附すことに方針を変えることとした。それによって、孰れが暮鳥のまことの吟詠にちかいものかは判らぬながらも、読む者はよりまことの原型に近い彼の詩篇をここで見ることが出来ると信ずるからである。追加とそれに伴う注改稿作業は少し時間がかかる(訳あって今すぐには取り掛かれない)。しかし、それを終えない限りは、新しい詩篇の電子化と注は行わないこととする。悪しからず。