無常と月光 山村暮鳥
無常と月光
ひなげしの花は悲し。
尼の如く、
狂ほしき月の園、
おぼろに匂ふ。
ま白き肌に媚びて、知る
秘密のめざめ美しけれ、
やすらかに眠れる
淫らなるわが靈(たましひ)。
ゆめの、(ひなげしの怖れよ。)
くちつけなれば
輕らかにこそ、
わが靈のぬれたる。
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無常と月光
ひなげしの花は悲し。
尼の如く、
狂ほしき月の園、
おぼろに匂ふ。
ま白き肌に媚びて、知る
秘密のめざめ美しけれ、
やすらかに眠れる
淫らなるわが靈(たましひ)。
ゆめの、(ひなげしの怖れよ。)
くちつけなれば
輕らかにこそ、
わが靈のぬれたる。