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奇術
闇の着るのは
びろおど
そのびろおどのさみしさに
霜の夜天に首をかけ
またその首にぶらさがりたる靈性
瞳(め)を痙攣(ひきつ)け
瞳をうちわすれ
手を匂へ
みよその燃ゆる手
きはまりて、夜もふけぬれば
女ま裸の凧をもあげ
[やぶちゃん注:二行目の太字「びろうど」は底本では傍点「ヽ」。最終行の魔女のようなシークエンスが、すこぶる、いい。]