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2017/03/21

冬 其他   山村暮鳥

 

   其他

 

(絶望と自由と、一切のさんげ)

 

冬が來た

 雪はしんしん……

心の上に冬がきた

焰(ひ)にきた 愛にきた

 

空からきた

 

(これから眞(ほんと)の薔薇がさくのだ)

 

ゆめがなく

 雪はしんしん……

凍えてかぢやの鐵砧(かなしき)が泣く

冬が泣く 闇が泣く

靈がしきりに泣く

 

(これから世界が生れるのだ)

 

     ○

 

かねもちの馬鹿むすこ

太陽、お前は悲痛をしらぬ

 

     ○

 

黑い鳥がてつぺんにとまつた

今日も木の根は土を掘る

 

[やぶちゃん注:丸括弧独立行に「○」印を挟んだ、今までに例のない形式の詩篇である。「焰」の用字は底本のもの。

「さんげ」懺悔。懺悔は古くは「さんげ」と清音であった。

「鐵砧(かなしき)」音は「テツチン」で「砧」は訓「きぬた」で判る通り、布や草などを打つために石の台の謂いであるが、これは所謂、金属性の金敷・金床(かなとこ)のこと。鍛冶に用いる鉄製の作業台。]

 

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