愛惜と悲哀 山村暮鳥
愛惜と悲哀
月の冷酷、月のなぐさめ、
淫婦と蛇のひとみに光をもとめつ、
わが黃金(きん)の色ざめた心は
「美」の悲哀にある。
皮膚に、ぽと燃え上り、
信實を映じた感覺、
「いのち」と「力」と‥‥憂鬱なる
玩具(おもちや)の時計の音、
蜻蛉(とんぼ)に眠るわが靈智よ。
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愛惜と悲哀
月の冷酷、月のなぐさめ、
淫婦と蛇のひとみに光をもとめつ、
わが黃金(きん)の色ざめた心は
「美」の悲哀にある。
皮膚に、ぽと燃え上り、
信實を映じた感覺、
「いのち」と「力」と‥‥憂鬱なる
玩具(おもちや)の時計の音、
蜻蛉(とんぼ)に眠るわが靈智よ。