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2017/03/24

新聞紙の詩   山村暮鳥

 

  新聞紙の詩

 

けふ此頃の新聞紙をみろ

此の血みどろの活字をみろ

目をみひらいて讀め

これが世界の現象(ありさま)である

これが今では人間の日日の生活となつたのだ

これが人類の生活であるか

これが人間の仕事であるか

ああ慘酷に巣くはれた人間種族

何といふ怖しい時代であらう

牙を鳴らして嚙合ふ

此の呪はれた人間をみろ

全世界を手にとるやうにみせる一枚の新聞紙

その隅から隅まで目をとほせ

活字の下をほじくつてみろ

その何處かに赭土の瘠せた穀物畠はないか

注意せよ

そしてその畝畝の間にしのびかくれて

世界のことなどは何も知らず

よしんばこれが人間の終焉(をはり)であればとて

貧しい農夫はわれと妻子のくふ穀物を作らねばならない

そこに殘つた原始の時代

そこから再び世界は息をふきかへすのだ

おお黃金色(こがねいろ)した穀物畠の幻想

此の黃金色した幻想に實のる希望(のぞみ)よ

 

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