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2017/03/24

秋のよろこびの詩   山村暮鳥

 

  秋のよろこびの詩

 

靑竹が納屋(なや)の天井の梁にしばりつけられると

大きな摺臼は力強い手によつてひとりでに廻りはじめる

ごろごろと

その音はまるで海のやうだ

金(きん)の穀物は亂暴にもその摺臼に投げこまれて

そこでなかのいい若衆(わかいしゆ)と娘つ子のひそひそばなしを聞かせられてゐる

ごろごろと

その音はまるで海のやうだ

ごろごろごろごろ

何といふいい音だらう

あちらでもこちらでもこんな音がするやうになると

お月樣はまんまるくなるんだ

そしてもうひもじがるものもなくなつた

ああ收穫のよろこびを

ごろごろごろごろ

世界のはてからはてまでつたへて

ごろごろごろごろ

 

[やぶちゃん注:「廻」は原典の用字。]

 

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