ある時 山村暮鳥
ある時
そらが
屋根の上で
まあ、こんなにたかくなつた
そしてみがきでもかけられたやうになつた
じいつとみてゐると
そのそらに
畑や市街がうつゝてゐるやうだ
草の葉のそよいでゐるのもみえるやうだ
自分の顏もどこかにうつゝてゐやしないか
おうい、雲よ
自分はもうなんにもいらない
[やぶちゃん注:現在、我々が目に出来る、暮鳥が最初に雲に「おうい、雲よ」と呼びかけた最初期の詩篇である。]
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ある時
そらが
屋根の上で
まあ、こんなにたかくなつた
そしてみがきでもかけられたやうになつた
じいつとみてゐると
そのそらに
畑や市街がうつゝてゐるやうだ
草の葉のそよいでゐるのもみえるやうだ
自分の顏もどこかにうつゝてゐやしないか
おうい、雲よ
自分はもうなんにもいらない
[やぶちゃん注:現在、我々が目に出来る、暮鳥が最初に雲に「おうい、雲よ」と呼びかけた最初期の詩篇である。]