人生 山村暮鳥
Ⅲ 聲
人生
榲桲(まるめろ)は靈的に微溫し、
日每夜每の、うす黃(きいろ)なる吐息は
にほひゆく死の陰影(かげ)、
曖昧なる幻惑のびおろん。
おお、友よ、
わがあを白きふところ手は
夢の如く、季節を摑(つか)む。
その風景のかなしさに‥‥
[やぶちゃん注:太字「びおろん」は底本では傍点「ヽ」。]
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Ⅲ 聲
人生
榲桲(まるめろ)は靈的に微溫し、
日每夜每の、うす黃(きいろ)なる吐息は
にほひゆく死の陰影(かげ)、
曖昧なる幻惑のびおろん。
おお、友よ、
わがあを白きふところ手は
夢の如く、季節を摑(つか)む。
その風景のかなしさに‥‥
[やぶちゃん注:太字「びおろん」は底本では傍点「ヽ」。]