とかげ (F樣に) 山村暮鳥
とかげ
(F樣に)
走る蜥蜴(とかげ)の
紫と金‥‥夢の
ILLUSION.
廢頽の園のなやみに
泌みてゆく、
さみしき入日。
(よきこと、おとづれたまへ)
絲の如く、
樹々の梢をわたる風、
年頃の心ともつれて、
さながらに吐息(といき)の如し。
[やぶちゃん注:「F樣」不詳。しかし気になる。以前に述べた通り、詩集題となった後に出る詩篇「三人の處女」で『二の處女をFといひ、』と出るから。]
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とかげ
(F樣に)
走る蜥蜴(とかげ)の
紫と金‥‥夢の
ILLUSION.
廢頽の園のなやみに
泌みてゆく、
さみしき入日。
(よきこと、おとづれたまへ)
絲の如く、
樹々の梢をわたる風、
年頃の心ともつれて、
さながらに吐息(といき)の如し。
[やぶちゃん注:「F樣」不詳。しかし気になる。以前に述べた通り、詩集題となった後に出る詩篇「三人の處女」で『二の處女をFといひ、』と出るから。]