佐渡にて遂に田圃の中につがいの朱鷺を見る
一昨日と昨日、三度目の佐渡行――
初日、田の中を通る車道から一反隔てた直近ではつがいの朱鷺が飛び立つさまを見た――二羽とも美しい朱鷺色の微妙なグラデーションであった(やはりあれは婚姻色ではないことが実感された)――いたく感動した……
団三郎狸を祀ったとされる二ツ岩神社を訪ねた。籠り堂は近年の火災で焼け落ち、本堂(古えの山岳部の巨石信仰対象が団三郎の棲家と変換されて伝承されたのがよく判る)の屋根も潰れかけて、そのために今年の本祭の中止を告げる張り紙が淋しかった――かの妖狐に打ち勝ち、佐渡を妖狸単独の天下とした団三郎も現代では通力を失い、滅び行く運命にあるのか……
三度目にして大佐渡を一周を成就した――北の外海府の奇景奇岩は素敵だった――二ツ亀の岸にはオオヘビガイが異様に転石に附着している――元気のいいイトマキヒトデが藻の間から顔を出していた……
この島に隠棲出来ない現代の僕を、僕は少し哀しく思った…………

