くちぶえ 山村暮鳥
くちぶえ
ひさしぶりで風がなぎ
自分もめづらしく早起きした
あかんぼをかかへて
そして朝の庭にでると
竹やぶではもううぐひすが鳴いてゐた
それをききつけて
それとなく子どもにかへり
自分も自分の口笛でそれにこたへた
はるかに自分が上手である
おお手の上のあかんぼ
ううううといひながら
ばね仕掛のやうに跳ね返つた
あかんぼもうれしいのか
[やぶちゃん注:二ヶ所の太字は底本では傍点「ヽ」。]
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くちぶえ
ひさしぶりで風がなぎ
自分もめづらしく早起きした
あかんぼをかかへて
そして朝の庭にでると
竹やぶではもううぐひすが鳴いてゐた
それをききつけて
それとなく子どもにかへり
自分も自分の口笛でそれにこたへた
はるかに自分が上手である
おお手の上のあかんぼ
ううううといひながら
ばね仕掛のやうに跳ね返つた
あかんぼもうれしいのか
[やぶちゃん注:二ヶ所の太字は底本では傍点「ヽ」。]