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2017/04/01

ちらほらと………   山村暮鳥

  

[やぶちゃん注:実はこの間に、底本では「こどもの詩」と題する詩篇が入っているところがこれは先の詩集「梢の巣にて」の「地を嗣ぐもの」の内容と完全に相同の詩篇であり、題名が違っても、これでは再掲する要を感じさせないし、彌生書房版全詩集版も載っていない。或いは山村暮鳥の仮題であった「地を嗣ぐもの」の相同稿が紛れ込んで活字化されてしまったものかも知れぬ。事実は事実として述べおく。リンク先の「地を嗣ぐもの」という題を「こどもの詩」という題(どうもこの題自体、何だか、やや臭う)と読み換えて読まれたい。]

 

 
 

  ちらほらと………

 

ちらほらと櫻がさいた

寂しい街のひるすぎ

活動寫眞の樂隊がほこりを蹴立てて

ゆきすぎたそのあとに獨り

自分はしよんぼり考へてゐた

おおさくら

彼がゆすればその木の下で

自分はぢつと跪座瞑目

自分がゆすれば彼は彼とて

はららちるさくらのはなをよろこんで

そこで鯱鋒立をした

おおさくら

ひがんざくら

 

[やぶちゃん注:標題下のリーダは彌生書房版全詩集版では六点。
 
「おおさくら」この表記文字列では「おお」は感動詞となるが、山村暮鳥は感動詞の後に読点を打つ傾向ある。但し、打たないケースもあり、ここはそれと考えて良いであろう。「大櫻」(おほさくら)では歴史的仮名遣として誤りであり、感動表現がなくなると、この詩篇の持つインパクトが著しく減衰してしまうと思うからである。大方の御叱正を俟つ。

「ひがんざくら」バラ目バラ科サクラ属エドヒガン(江戸彼岸)Cerasus spachiana var. spachiana forma ascendens 。桜の野生種(変種品種(この場合の品種(forma)は園芸品種の意ではなく、自然(野生)状態で、形態などに於いては明確な相違があって区別可能であるものの、同じ地域の同種個体群とは生殖的に隔離されていない個体群を指す)の一つ。]

 

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