雪 山村暮鳥
雪
雪、雪、雪
貧乏人を泣かせるのなんか
なんでもないよ
この雪だけでたくさんだ
惡い奴等で
世界をみたし
そこをどぶ泥のやうにするのも
みんな
このうつくしさ
それでだ
雪はうつくしい
ほんとにうつくしい
だが、うつくしいとはこんなものだと
いはぬばかりの雪──
それの消えたあとはどうだ
だが、また雪の
この天上のうつくしさこそ
なんといつても自分達貧乏人のものではないか
[やぶちゃん注:彌生書房版全詩集版を示す。完全相同である。
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雪
雪、雪、雪
貧乏人を泣かせるのなんか
なんでもないよ
この雪だけでたくさんだ
惡い奴等で
世界をみたし
そこをどぶ泥のやうにするのも
みんな
このうつくしさ
それでだ
雪はうつくしい
ほんとにうつくしい
だが、うつくしいとはこんなものだと
いはぬばかりの雪──
それの消えたあとはどうだ
だが、また雪の
この天上のうつくしさこそ
なんといつても自分達貧乏人のものではないか
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