蠅 山村暮鳥
蠅
蠅がぶうんととんできて
蟀谷(こめかみ)でちよいとやすんだ
てのひらがぴしやり
それがかれらのおもはぬ終りであつた
かれらは交尾(つる)んでゐた
蠅の一生はかうして
まことにはかなく短かつた
さて、うち殺しておきながら
自分はかれらを
寂しくもうらやましくおもつた
[やぶちゃん注:本篇は刊本詩集「穀粒」にはないので、彌生書房版全詩集版を用いた。]
« 友に書きおくる 山村暮鳥 | トップページ | 蚤 山村暮鳥 »
蠅
蠅がぶうんととんできて
蟀谷(こめかみ)でちよいとやすんだ
てのひらがぴしやり
それがかれらのおもはぬ終りであつた
かれらは交尾(つる)んでゐた
蠅の一生はかうして
まことにはかなく短かつた
さて、うち殺しておきながら
自分はかれらを
寂しくもうらやましくおもつた
[やぶちゃん注:本篇は刊本詩集「穀粒」にはないので、彌生書房版全詩集版を用いた。]