陸橋の上にて 山村暮鳥
陸橋の上にて
あけがたの
此處は大都會の入り口
初冬のステーシヨン
わたしは陸橋の上から遠く北國の山山をおもつてゐる
そこへ汽笛をながながと鳴らして
足をひきずる旅人のやうに
やうやくたどりついた急行列車
それを迎えたプラツトホームヘはしりでた
老驛長の顏をみろ
おお歸つてきたか
おお
そして道中無事であつたか
汽車はなんにも答へない
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陸橋の上にて
あけがたの
此處は大都會の入り口
初冬のステーシヨン
わたしは陸橋の上から遠く北國の山山をおもつてゐる
そこへ汽笛をながながと鳴らして
足をひきずる旅人のやうに
やうやくたどりついた急行列車
それを迎えたプラツトホームヘはしりでた
老驛長の顏をみろ
おお歸つてきたか
おお
そして道中無事であつたか
汽車はなんにも答へない