ほうほう鳥 山村暮鳥
ほうほう鳥
やつぱりほんとうの
ほうほう鳥であつたよ
ほう ほう
ほう ほう
こどもらのくちまねでもなかつた
山のおくの
山の聲であつたよ
★
ほう ほう
ほう ほう
山奧のほそみちで
自分もないてる
ほうほう鳥もないてる
★
自分がそこにもゐて
ふと鳴いてるとおもはれたよ
ほう ほう
ほう ほう
★
ほう ほう
ほう ほう
ほんとうのほうほう鳥より
自分のはうが
どうやら
うまく鳴いてゐる
あんまりうまく鳴かれるので
ほんとうのほうほう鳥は
ひつそりと
だまつてしまつた
[やぶちゃん注:太字「くちまね」は原典では傍点「ヽ」。三ヶ所の「ほんとう」はママ。彌生書房版全詩集版も訂さずにママである。編集方針の気が知れねえわ。彌生書房版全詩集版では、「★」は「*」で位置も三字下げ位置で異なる。
因みに、「ほうほう鳥」はこのロケーションと推定時間から見て、梟類のことではないと思われる。所謂、「ホウホウ、ホウホホーホ」と鳴くように聴こえる、ハト目ハト科キジバト属キジバト Streptopelia orientalis と私は、採る。]

