パン 山村暮鳥
パン
わたしのパンには
遠山の雪のにほひがある
五月ごろの空の匂ひがある
この大きな靑空では
雲雀がちうちうさえづつてゐる
それからまた
うすらねむいこの目の附近に
ひろびろとした麥の畑をみせてくれるのもパンだ
ときどきはいぢわるく
この咽喉(のど)の上につかへて
ひもじい私をくるしめることもないではないが
何といふても
わたしの幸福はパンにある
[やぶちゃん注:「雲雀がちうちうさえづつてゐる」の「さえづつて」、「この咽喉(のど)の上につかへて」の「つかへて」はママ。]
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パン
わたしのパンには
遠山の雪のにほひがある
五月ごろの空の匂ひがある
この大きな靑空では
雲雀がちうちうさえづつてゐる
それからまた
うすらねむいこの目の附近に
ひろびろとした麥の畑をみせてくれるのもパンだ
ときどきはいぢわるく
この咽喉(のど)の上につかへて
ひもじい私をくるしめることもないではないが
何といふても
わたしの幸福はパンにある
[やぶちゃん注:「雲雀がちうちうさえづつてゐる」の「さえづつて」、「この咽喉(のど)の上につかへて」の「つかへて」はママ。]