鴉 山村暮鳥
鴉
鴉がないてゐる
聲を嗄らしてないてゐる
枯木のてつぺんにとまつてさ
それを、ぴゆぴゆ
ふき曝してゐる霙風め
だが鴉よ
なんだつてそんなに
くやしさうにないてゐるんだよ
まつ赤な夕日に腹をたてて
何か惡態でもついてゐるんか
[やぶちゃん注:「霙風」「みぞれかぜ」と読むしかないか。
彌生書房版全詩集版。完全相同。
*
鴉
鴉がないてゐる
聲を嗄らしてないてゐる
枯木のてつぺんにとまつてさ
それを、ぴゆぴゆ
ふき曝してゐる霙風め
だが鴉よ
なんだつてそんなに
くやしさうにないてゐるんだよ
まつ赤な夕日に腹をたてて
何か惡態でもついてゐるんか
*]
« 冬 山村暮鳥 | トップページ | 走馬燈 山村暮鳥 »