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蚤
自分の血を吸つてゐたのだ
とおもふと
にくらしくもあり
また可愛らしくもある
赤い小さな蟲
――蚤だつて生きてゐたいんだ
[やぶちゃん注:本篇は刊本詩集「穀粒」にはないので、彌生書房版全詩集版を用いた。]