掟 山村暮鳥
掟
ながらくやすんでゐたおぢいさんはもう目がみえず
大空の方へその手をさしのべて
もいちど太陽を拜みたいと言つたが
それができなかつた
そしてまつくろにすすけた古い大時計のしたで
此の家代々の掟として
おぢいさんはいま旅立つと
うまさうに臨終の水をのみ干した
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掟
ながらくやすんでゐたおぢいさんはもう目がみえず
大空の方へその手をさしのべて
もいちど太陽を拜みたいと言つたが
それができなかつた
そしてまつくろにすすけた古い大時計のしたで
此の家代々の掟として
おぢいさんはいま旅立つと
うまさうに臨終の水をのみ干した