改版「風は草木にささやいた」異同検証 「Ⅰ」パート
Ⅰ
[やぶちゃん注:「Ⅰ」の上部にデッサン風の挿絵があるが、この絵(リンク先は国立国会図書館デジタルコレクションの当該ページの画像)、誰の描いたものか判らぬので、画像表示は控える。以後のパートでも挿絵が入るが、その指示は略す。]
[やぶちゃん注:「Ⅰ」の冒頭の詩「穀物の種子」(本文から「種子」は「たね」と読むべきである)に異同はない。]
[やぶちゃん注:「彼等は善い友達である」は異同なし。]
[やぶちゃん注:「父上のおん手の詩」は最終行「此處ではるかにその手に熱い接吻(くちつけ)をしてゐる」が「くちづけ」と濁音表記となっている以外は異同なし。]
[やぶちゃん注:ここにあるはずの初版の二行の短詩篇「或る朝の詩」、
或る朝の詩
冬も十二月となれば
都會の街角は鋭くなる……
は改版では、何故か除去されている。]
[やぶちゃん注:「曲つた木」は、改版では四行目「ねぢれくるはせたのは風のしわざだ」の「しわざ」に傍点「ヽ」が附されており、「小鳥をさえずらせる」が「小鳥をさえづらせる」と中途半端に訂されてある。正しくは「さへづらせる」でなくてはならない。因みに彌生書房版全詩集版ではそう訂されてある。]
[やぶちゃん注:「ランプ」は異同なし。]
夜の詩
あかんぼを寢かしつける子守唄
やはらかく細くかなしく
それを歌つてゐる自分も
ほんとに何時(いつ)かあかんぼとなり
ランプも
火鉢も
急須も茶碗も
ぼんぼん時計も睡くなる
[やぶちゃん注:初版の「夜の詩」とは八行構成は同じであるものの、改行位置が二ヶ所で異なる。以下に初版を示す。
夜の詩
あかんぼを寢かしつける
子守唄
やはらかく細くかなしく
それを歌つてゐる自分も
ほんとに何時(いつ)かあかんぼとなり
ランプも火鉢も
急須も茶碗も
ぼんぼん時計も睡くなる
これは朗読時の印象が著しく異なる。特異点の改変と言える。彌生書房版全詩集版は初版を採用している。朗読の印象からは私も初版を支持する。]
[やぶちゃん注:「遙にこの大都會を感ずる」は、初版の十四行目の「その街街の大建築の屋根から屋根をわたつて行く」の頭の指示語「その」が除去されており、また、最後から三行目「此の大都會をしみじみと」及び次行の「此の大沙漠中につつ立つ林のやうな大煙筒を」のそれぞれの冒頭の「此の」が孰れも「その」に変更されてある。有意な変更であるが、詩想自身には微塵の変化もないので特異点ではない。]
[やぶちゃん注:「何處へ行くのか」は異同なし。]
[やぶちゃん注:「梢には小鳥の巣がある」は異同なし。]
[やぶちゃん注:「春」は異同なし。]
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