絶不調
先週半ば、何年振りかで風邪をひき、今までも普通に飲んで問題のなかった市販の風邪薬「ベンザ・ブロック」を服用したところ、風邪は軽快したのだが、翌日から生まれて初めて便秘になり、丸二日間、「便座」で地獄の苦しみを味わった(出ない苦しみは激しい下痢よりも物理的に苦しく、心理的なダメージも大きいことを初めて体感した。昔、同僚女性が一週間ないなんてのも普通よとか言っていたが、私はたった二日でも脳の血管がハチ切れるんではないかとさえ思ったほどである。さる法医学書で硬化した便が閉塞して心不全で孤独死した二十代のOLの検死資料を読んだことがあるが、彼女はさぞ苦しかったんだろうなあと思ったりした)。薬の注意書きの中に副作用の中に便秘の特別な注意書きがあり、その場合は直ちに使用をやめて医師の診察を受けるようにとあったので、やめたところ、三日目の朝には正常に戻ったが、同時に風邪がまたぞろぶり返してきて、元の木阿弥、今もしゃっくりと咳と鼻水が止まらぬ。薬の副作用というのも実は僕の場合は全くの特異点なのである。
さらに昨夜、久々に眠気も覚えず楽しく文楽を見て帰ったところが、右腕脇の下の背部側に、若い時からよく出来る巨大な粉粒腫(アッテローム)が発生しているのに気づく。今朝、二倍近く梅干し大に腫れあがっていてこれは化膿していると判断、今日、医者に行って抗生物質を処方してもらったが、今も腕を動かすことも憚られるほど、ズキズキと痛む。
序でに医師に先の顛末を話して風邪薬の処方を希望すると、その副作用状況では水を多く採って自然治癒を待つしかないという。鼻から牛乳、呆然痔疾、基、自失。
そうでなくてもいろいろな瑣事によって心因性の抑鬱状態にある僕に、これは何とも「アッテ」欲しくない駄目押しの外因性の伏兵の襲撃であった。
――と、綴ってみると、それなりにまあ、気持ちは落ち着いた――
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