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2017/05/03

改版「風は草木にささやいた」異同検証 「Ⅶ」パート

 

   Ⅶ

 

[やぶちゃん注:「自分はさみしく考へてゐる」は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:「蝗」は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:「愛の力」は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:「人間の神」は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:「秋のよろこびの詩」は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:「草の葉つぱの詩」は異同なし。]

 

 

 

 或る風景

 

みろ

大暴風の蹶ちらした世界を

此のさつぱりした慘酷(むごた)らしさを

骸骨のやうになつた木のてつぺんにとまつて

きりきり百舌鳥(もず)がさけんでゐる

けろりとした小春日和

けろりとはれた此の蒼空よ

此のひろびろとした蒼空をあふいで耻ぢろ

大暴風が汝等のあたまの上を過ぐる時

汝等は何をしてゐた

その大暴風が汝等に呼びさまさうとしたのは何か

汝等はしらない

汝等の中にふかく睡つてゐるものを

そして汝等はおそれおののき兩手で耳をおさへてゐた

なんといふみぐるしさだ

人間であることをわすれてあつたか

人間であるからに恥ぢよと

けろりとはれ

あたらしく痛痛しいほどさつぱりとした蒼空

その下で汝等はもうあらしも何も打ちわすれて

ごろごろと地上に落ちて轉つてゐる果實(きのみ)

泥だらけの靑い果實をひろつてゐる

 

[やぶちゃん注:太字「あらし」は原典では傍点「ヽ」。初版或る風景の注で例外的に述べているが、ご覧の通り、初版の最終行「おお此の蒼空!」がカットされている私はアオリのコーダを欠いたこの改版版をよしとしない気持ちは今も変わらない。]

 

 

 

[やぶちゃん注:雪ふり蟲は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:冬近くは異同なし。]

 

[やぶちゃん注:蟋蟀は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:或る日の詩は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:「或る日の詩」(前篇とは同名異篇)は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:記憶の樹木は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:は異同なし。]

 

 

 

 初冬の詩

 

そろそろ都會がうつくしくなる

人間の目が險しくなる

初冬

お前の手は熱く

やがで火のやうになるのだ

 

[やぶちゃん注:初冬の詩は、初版二行目の冒頭の「そして」がカットされ、四行目の冒頭の「いまに」がカットされ、最終行冒頭の「まるで」が「やがて」に変更されいる。この短い一篇の詩篇中でこれだけ改稿するというのは、山村暮鳥の、かなりの覚悟を持った確信犯と見なければならぬ。これについては私も、改版の方がモンタージュがくっきりとしてよくなっていると感ずる。]

 

 

 

[やぶちゃん注:路上所見は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:友におくるは異同なし。]

 

[やぶちゃん注:惡い風は異同なし。]

 

[やぶちゃん注:「雪の詩」は十二行目の「子ども等はうれしさに獅子のやうだ」の「獅子」が「けもの」となり、傍点「ヽ」が附されてある。]

 

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