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2017/08/12

北越奇談 巻之二 俗説十有七奇 (パート11 其十二 「七ツ法師」)

 

其十二 「七ツ法師」。八ツ滝(だき)、頸城郡高田の南、難波山にあり。未(や)ツの時、日、西に旋(めぐる)頃、はじめて、滝、白く見え渡り、申(七ツ[やぶちゃん注:ルビ])の時に至れば、即(すなはち)、滝の中央、黑く、法師の形、現はれ出(いづ)ツ。其邊(ほとり)、さらに此(この)影(かげ)を成す。岩だになし、と云へれど、西國、影向(えうがう)の瀧に不動尊の形、現はるゝと云ふがごとく、遠近(ゑんきん)の岑(みね)・高樹の陰など、相(あひ)映じて其形を成すなるべし。今町八幡(いままちはちまん)にて、是を見る。奇とするには足らざれども、景色(けいしよく)、甚だ、よし。又、糸魚川(いとゐがは)の邊(ほとり)に「牛形(うしなり)」とて、奇とす。雪解(ゆきどけ)の頃、黑く山畔(やまのくろ)に見ゆる。即(すなはち)、大石(たいせき)ありて、殘雪の中に先(まづ)ツ顯(あらは)るゝならん。

[やぶちゃん注:「八ツ滝(だき)、頸城郡高田の南、難波山にあり」上越市の高田地区の南西方の山岳地帯に三つのピークがあり、北西から南東に順に「青田難波山」(あおたなんばさん)・「南葉山(なんばさん)」・「籠町南葉山(かごまちなんばさん)」と呼ばれる(ここ(グーグル・マップ・データ))。この滝がそれらのどこにあるかは不詳だが、蓑上誠一氏のサイト「峠と旅」の「南葉山峠(仮称)」というのはこの近くのロケーションと思われ、そこに「よもしろうの滝」というのが写真入りで出る。ここは一つ、候補としてよかろう。他にここだというところを知っておられる方は、是非、御教授願いたい。

「未(や)ツの時」未(ひつじ)の刻で午後二時前後。

「申(七ツ)の時」申(さる)の刻で午後四時前後。

「岩だになし」そのような翳をそこに落し得るようなちょっとした岩さえも全くない。

「西國、影向(えうがう)の瀧に不動尊の形、現はるゝ」不詳。一つの候補として現在の京都府京丹後市大宮町谷内にある三つ(現在は一つが崩壊して二つ)からなる竜洞滝の内の落差六メートルの「影向滝」(別名「昇竜の滝」)を上げておく。現在、滝脇に不動尊像を祀る。ホージローサイト「全国滝」を参照した。

「今町八幡(いままちはちまん)」現在の新潟県見附市今町か。(グーグル・マップ・データ)。但し、同地区には現在、八幡社はない。識者の御教授を乞う。

『糸魚川(いとゐがは)の邊(ほとり)に「牛形(うしなり)」とて、奇とす』糸魚川((グーグル・マップ・データ))の南東に妙高山(みょうこうさん:所属は新潟県妙高市で標高二千四百五十四メートル)があるが、これは以下で「雪解(ゆきどけ)の頃、黑く山畔(やまのくろ)に見ゆる。即(すなはち)、大石(たいせき)ありて、殘雪の中に先(まづ)ツ顯(あらは)るゝならん」と崑崙が述べているように(但し、必ずしも大石があるわけではない)、雪が部分的に溶けて、地肌が牛の形(或いは馬)に見えるシミュラクラ現象で、雪国ではこの雪形を以って種蒔きや春耕開始の目安とするという呪的な意味があった。「上越タウンジャーナル」の妙高山の雪形「跳ね馬」の横に「牛形」現れるをご覧あれかし! 「牛形」の写真有り!! 下方の過去記事でも同様の過去の現象が見られるよ!!!]

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