和漢三才圖會卷第五十四 濕生類 砂挼子(ねむりむし)
ねむりむし 倒行狗子
睡蟲
砂挼子
【祢無里無之】
本綱砂挼子【有毒】生砂石中作旋孔大如大豆背有刺能
倒行性好睡生取置枕中令夫婦相好
*
ねむりむし 倒行狗子
睡蟲
砂挼子
【「祢無里無之」。】
「本綱」、砂挼子【毒、有り。】、砂石の中に生ず。旋孔を作〔(な)〕す。大いさ、大豆のごとく、背に刺〔(とげ)〕有り。能く倒(さかさま)に行く。性、睡ることを好みて、生〔(いか)〕して取りて枕の中に置けば、夫婦をして相ひ好〔(よ)か〕らしむ。
[やぶちゃん注:記載から見て、昆虫綱内翅上目アミメカゲロウ目ウスバカゲロウ上科ウスバカゲロウ科 Myrmeleontidae に属する一部の種の幼生であるアリジゴク(ウスバカゲロウ類の総てがアリジゴク幼生を経る訳ではない)に同定する。但し、アリジゴクも初齢幼虫の時には前進して餌を捕える。中文サイトでも「砂挼子」をアリジゴクに比定している(こちら(「地牯牛」)を参照されると、英名を“antlion”(アントライオン:アリジゴクのこと)とし、別名に「砂挼子」とある。「挼」は「揉む」「もみくちゃにする」の意。]
« 和漢三才圖會卷第五十四 濕生類 𧔎(みがら) | トップページ | 芥川龍之介が中国旅行で「黄鶴楼」として登ったのは「黄鶴楼」ではなく「奥略楼」である »