三女アリスが天に召されました――
一時間ほど前の12時8分――
三女のビーグル犬アリス(Ⅱ世)が逝きました――
12歳と二十六日でした――
一ヶ月程前より不調となり、性格が変容し、誰に対しても関心を示さなくなり、内臓面の精密検査によって、ホルモン促進剤等を投与したものの、好転せず、十月になると、深夜に複数回の夜啼きを始め、父も私も熟睡する暇がなくなりました。当初は認知症を疑いましたが、その後の昼夜の様態を観察し、それらを獣医とともに検討した結果、高い確率で――脳腫瘍――という結論に達しました。
抗癲癇剤等の投与も功を奏さず、血尿と食欲の激しい減衰が始まり、昨夜から今朝にかけて私がシュラフに入って添い寝をしましたが(大分以前から夜間は室内に入れていました)、午後十時半の発作は、一時間ほどで終わり、眠りに落ちましたが、午前二時半の発作が始まると、部屋の中をコンスタントなスピードで左旋回を開始し、寝かせようとしても、起き上がろうとして異様な遠吠えをしようとするので、回り疲れるのを待つしかないと、そのまま見ていると、実に午前四時半過ぎまで二時間以上、同一行動をとって、やっと寝つきました。そこで、私は「これは介護のレベルを越えている」と判断しました。
今朝、獣医との相談によって、安楽死を選択するのが、このアリスの事例の場合、ベストと決し、両杖の妻と一緒にアリスも自力で歩いて動物病院に行き、その場で安楽死の仕儀を受けました。
薬物注入から一分もしないうちに、速やかに天に召されました――
今――私の家の庭には亡き母テレジア聖子の丹精した白い可憐な美事なシュウメイギクが沢山咲いています――
……私には今、その母と一緒に、天界のシュウメイギクの園を気持ちよさそうに飛ぶように走っている(母は治療法のない筋萎縮性側索硬化症(ALS)で亡くなりました。病名宣告からたった一ヶ月後でした)母とアリスの姿が見えます――
Ⅱ世のアリスは、母が、右腕首を校務で粉砕してしまって意気消沈していた私のために、その母が飼った子でした……
「アリス! 幸せな時間を、ありがとう! ゆっくり――おやすみ!…………」