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2017/11/12

和漢三才圖會第四十一 水禽類 鵞(たうがん(とうがん))〔ガチョウ〕


Gatyou

 

たうがん   家鴈 舒鴈

 

【音莪】

      【俗云唐雁】

ゴウ

 

本綱鵞人家畜之狀似鴈而舒遲也有蒼白二色及大而

埀胡者並緣眼黃喙紅掌善闘其夜鳴應更性能啖蛇及

蚓制射工故養之能避蟲虺

禽經云脚近※者能歩鵞鶩是也

[やぶちゃん注:「※」=「月」+「翠」。]

△按似鴈而大故俗曰唐鴈人家畜之多白鵞也

 

 

 

たうがん   家鴈〔(かがん)〕

       舒鴈〔(じよがん)〕

【音、「莪〔(ガ)〕」。】

      【俗に「唐雁」と云ふ。】

ゴウ

 

「本綱」、鵞は人家に之れを畜ふ。狀、鴈に似て、舒遲〔(じよち)〕なり。蒼・白の二色、及び、大にして胡(えぶくろ)を埀(た)るゝ者、有り。並びに、緣なる眼、黃なる喙、紅〔なる〕掌。善く闘かふ。其れ、夜、鳴くこと、更〔(かう)〕に應ず。性、能く蛇及び蚓〔(みみず)〕を啖〔(くら)〕ふ。射工を制す。故に之れを養ひて、能く蟲虺〔(ちゆうき)〕を避く。

「禽經」に云はく、『脚、※(しり)に近き者は、能く歩む。「鵞(たうがん)」・「鶩(あひる)」、是れなり。[やぶちゃん注:「※」=「月」+「翠」。]

△按ずるに、鴈に似て、大なり。故に、俗、「唐鴈(たう〔がん)〕」と曰ふ。人家、之れを畜ふ。多くは白鵞なり。

 

[やぶちゃん注:「鵞鳥」(ガチョウ)で、カモ目 Anseriformes カモ亜目 Anseres カモ科 Anatidae ガン亜科 Anserinae の野生の雁(ガン)類を家畜化したもの現在、飼養されているガチョウ類は、ハイイロガン(マガン属ハイイロガン Anser anser)を原種とするヨーロッパ系種の「ガチョウ」と、サカツラガン(サカツラガン Anser cygnoides参照)を原種とする中国系の「シナガチョウ」のグループの二つに大別される。「シナガチョウ」系は上の嘴の付け根に瘤状の隆起があることでヨーロッパ系の「ガチョウ」類と区別出来る

 

「舒遲〔(じよち)〕」ゆったりとして落ち着いているさまを指す。

「胡(えぶくろ)を埀(た)るゝ者」現行の感覚であると、「シナガチョウ」の著しい特徴である上の嘴の付け根にある瘤状隆起は、凡そ、そのようには表現し得ないが、或いは、ここはそれをかく言っているのではないかと私は推定する。

「紅〔なる〕掌」後脚のことであろう。

「夜、鳴くこと、更〔(かう)〕に應ず」既注であるが、再掲すると、更(一夜の夜の時間帯を五等分して初更(午後八時から十時までの二時間)・二更・三更・四更・五更(午前四暗から午前六時)の「五更」に分けた夜限定の時間単位)が変わるごとに、鳴いて時を知る便りとなるというのである。

「射工」蜮(いさごむし)のこと。詳しい私の考証は和漢三才圖會卷第五十四 濕生類 蜮(いさごむし) 附 鬼彈を参照されたい。

「蟲虺〔(ちゆうき)〕」毒虫と毒蛇。

(しり)」(「」=「月」+「翠」)東洋文庫訳では『しりぼね』とルビする。まあ、尻骨だろうが、解剖学的にこれが正しいかどうかは判らぬ。

「鶩(あひる)」これは「鵞(たうがん)」と同種或いは近縁種と採っている記載で完全な誤り白いアヒルは見た目、確かに白いガチョウに似て見えるが、アヒルはカモ目カモ科カモ亜科 Anatinae のタクソンで異なり、マガモ属マガモ品種アヒル Anas platyrhynchos var.domesticus であって、全くの別種である。但し、良安は三項後に「鶩(あひる)」を別項立てしており、叙述も別種として扱っているので問題ない。]

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