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2017/11/25

和漢三才圖會第四十一 水禽類 鸍(こがも/たかべ)〔コガモ〕


Kogamo

こがも      沈鳬 

たかべ

【音施】

         【和名多加閉】

 

△按鸍似鳬而小雄者頭頸紫色眼後有青色背蒼帶赤

 有花文兩脇碧有白條胸黄有赤黑點腹淡蒼兩腰白

 翅蒼交綠白黑羽觜脚黑帶赤雌者淡黄淡赤雜黑色

 頭深灰色大抵其種類雌相似而雄異也先鳬來後鳬

 歸晨成群高飛性能食泥及水草根其肉美味不減於

 眞鳬

――――――――――――――――――――――

阿伊佐 似鸍而頭背灰色腹正白觜赤而尖脚亦赤

美古鳬 似鸍而全體白色頭有碧黑冠毛觜脚共黑

鈴鳬【一名黄黑鳥】 似鸍而全體黑色目邊黄稍青而兩脇淡白觜

 碧脚黑帶黄其鳴聲似鈴音

 

 

こがも      沈鳬〔(ちんふ)〕

たかべ      〔(りき/りよく)〕

【音、「施」。】

         【和名。「多加閉」。】

 

△按ずるに、鸍〔(こがも)〕は鳬〔(かも)〕に似て、小さし。雄は頭・頸、紫色。眼の後に、青色、有り。背、蒼〔にして〕赤を帶びて、花〔の〕文、有り。兩脇、碧(みどり)にして、白き條(すぢ)有り。胸、黄にして赤黑〔き〕點、有り。腹、淡蒼。兩腰、白く、翅、蒼くして綠・白・黑の羽を交〔(まぢ)〕へ、觜・脚、黑くして赤を帶ぶ。雌は淡黄・淡赤〔に〕黑色を雜〔(まぢ)〕へ、頭は深灰色。大抵、其種類の雌は相ひ似て、雄は異なり。鳬〔(かも)〕に先だつて來たり、鳬に後〔(おく)れ〕て歸る。晨〔(あした)〕に群れを成し、高く飛ぶ。性、能く泥及び水草の根を食ふ。其の肉、美味〔なるは〕眞鳬〔(まがも)〕に減〔(おと)〕らず。

――――――――――――――――――――――

阿伊佐〔(あいさ)〕 鸍〔(こがも)〕に似て、頭・背、灰色。腹、正白。觜、赤くして尖り、脚も亦、赤し。

美古鳬(みこがも) 鸍〔(こがも)〕に似て、全體、白色。頭に碧黑〔(へきこく)〕の冠毛(さか〔げ〕)有り。觜・脚、共に黑し。

鈴鳬(すゞがも)【一名、「黄黑鳥〔(きぐろがも)〕」。】 鸍〔(こがも)〕に似て、全體、黑色。目の邊り、黄にして、稍〔(やや)〕青く、兩脇、淡白。觜、碧。脚、黑にして黄を帶ぶ。其の鳴き聲、鈴の音に似たり。

 

[やぶちゃん注:カモ目 Anseriformes カモ科 Anatidae カモ亜科 Anatinae マガモ属コガモ Anas crecca亜種コガモ(小鴨)Anas crecca creccaウィキの「コガモ」によれば、『ユーラシア中部・北部および北米大陸中部・北部で繁殖する。冬季はヨーロッパ南部、北アフリカ、中近東、南アジア、東アジア、北アメリカ中部から南部へ渡り越冬する』。『日本では、冬鳥として全国に飛来する。全国で普通に見られ、市街地の河川や公園の池などでも観察される。中部地方以北の高原や北海道の湿原では、ごく少数が繁殖している』。『カモ類の中では冬の渡りが早く、また春の渡りが遅めである。越冬中は群れで生活し、関東地方では』九『月頃から』四『月頃にかけて見ることができる』。体長三十四〜三十八センチメートル、翼開長五十八~六十四センチメートル。『雄の方がやや大きい。ドバトより一回り大きい程度で、日本産カモ類の中では最小種のひとつ』である。『雄は頭が栗色で、目の周りから後頸にかけてが暗緑色、身体は灰色で、側面に横方向の白線が入る。下尾筒は黒く、両側に黄色い三角の斑がある。翼は暗褐色だが、翼鏡は緑色。嘴と足は黒い』。『雌は全体に褐色で、黒褐色の斑がある。下尾筒の両脇は白い。雄と同様に緑色の翼鏡が見られる』。『非繁殖期には、湖沼、池、河川、干潟などに生息する。淡水域に多い。越冬の終盤である』二月末から三月にかけて『つがいを形成し、繁殖地へ渡る。つがいを形成する前の』十一月から一月『頃には、オスはメスに対して盛んにディスプレイ行為を見せる。繁殖期には、河川や湿地の周辺の草地などに生息する』。『食性は植物食で、河川や湖沼などの水面から届く範囲の藻や水草などを食べる。夜間に採食することが多い』。『雄は「ピリピリッ」、雌は「クゥェックゥェッ」などと鳴く』。『メスは草地の地上に巣を作り』、四月下旬から七月上旬にかけて平均八個を産卵』し、『卵は抱卵開始から』二十一から二十三日で『孵化する。他の多くのカモ類と同様に、抱卵・育雛はメスのみで行う。雛は』二十六から三十日『程度で親から独立する』。『マガモ同様に食用にされる。味はマガモに勝るとも劣らないと言われるほど優れているが、体の大きさがマガモよりずっと小さく、取れる肉の量が同種の』四分の一程度しかなく、『それゆえに狩猟の獲物として狙われる機会も少な』く、『マガモやカルガモと比べ』ると『警戒心も強く、人の姿を察知するとすぐに逃げ出す』傾向も強い、とある。

 

「たかべ」コガモの古称。「万葉集」の「巻第三」の「雑歌」の「鴨君足人(かものきみのたりひと)の香具山の歌一首」に付帯する二首の反歌の第一首目に(二五八番歌)、

 

人漕がずあらくも著(しる)し潛(かづ)きする鴦(をし)と高部(たかべ)と船の上(へ)に住む

 

と出、また同「巻第十一」の「物に寄せて思ひを陳べたる歌」の一首(二八〇四番歌)に、

 

高山に高部(たかべ)さ渡り高高(たかたか)に我が待つ君を待ち出でむかも

 

と出るのが、それ。

「鳬〔(かも)〕」前項「鳧(かも)〔カモ類〕」の私の冒頭注以下を参照のこと。

「阿伊佐〔(あいさ)〕」カモ科カモ亜科アイサ(秋沙)族 Mergini(アイサ亜科 Merginae とされることもあり)が広義にあるが、ここには前に出たクロガモ等も含まれ、限定が難しくなるので、中でも、和名に「アイサ」を含む類と敢えて限定してみたい。ウィキの「アイサ族」によれば、殆んどの『種は繁殖期以外は海に生息する。これらの種は塩類腺を発達させているが、幼鳥には備わっていない。また』、『海よりも川を好む種もある』。二『種を除くと全てが極北に生息している』。『魚を食べる種は、魚を捕まえるためにくちばしが鋸歯状になっている。海産の軟体動物や甲殻類を食べる種もいる』とある。先に和名限定したもので本邦に飛来(或いは繁殖)する種で、良安が視認可能なものは、アイサ(ウミアイサ)属ウミアイサ Mergus serrator・アイサ(ウミアイサ)属カワアイサ Mergus merganser 辺りに絞られる。両者は孰れも九州以北に飛来し、よく似ており(誤認もされる)、ここに記された特徴ともよく一致する。ウミアイサ」カワアイサのウィキをリンクしておくので、本文と比較されたい。

「美古鳬(みこがも)」前のアイサ族に含まれるアイサ属ミコアイサ(巫女秋沙)Mergus albellusウィキの「ミコアイサ」によれば、『繁殖期のオスは全身の羽衣が白い』。・『和名ミコはオスの羽衣が巫女の白装束のように見えることに由来する』。『眼の周囲や後頭には黒い斑紋が入り、胸部側面には』二『本の黒い筋模様が入る』。『背の羽衣は黒い』。『非繁殖期のオスやメスは頭部から後頸にかけての羽衣が褐色、喉から頸部側面にかけての羽衣が白い』とある。但し、良安の「碧黑〔(へきこく)〕の冠毛(さか〔げ〕)」という色は不審。これはの背に入る黒い有意な条線を指すのではなかろうか? それとも別種なのか?

「鈴鳬(すゞがも)」「黄黑鳥〔(きぐろがも)〕」カモ科ハジロ属スズガモ Aythya marilaウィキの「スズガモによれば、全長はオスが約四十六 センチメートル、メスが約四十三センチメートル、翼開長は七十四~八十センチメートル。『小型の潜水ガモ(海ガモ)類であり、成鳥はくちばしは灰青色で目は黄色。オスは黒い頭で緑の光沢がある。メスは全体的に褐色。嘴の基部に白い斑がある。キンクロハジロと配色が似ている』。『名前の由来は、飛ぶときの羽音が金属質で鈴の音に似ていることから』。『繁殖地は北アメリカ大陸北部、ユーラシア大陸北部である。冬季はヨーロッパ北部、カスピ海、中国東部、北アメリカ西部及び東部に渡り越冬する。アリューシャン列島では、留鳥として周年見られる』。『日本では冬鳥として、亜種スズガモが海岸に多数渡来する』。『日本に渡来する海ガモ類では、最も渡来数が多い種とされる』。『東京湾、藤前干潟などでは毎冬大群が見られる。北海道東部では夏でも観察される』。『越冬期には、主に内湾など波の静かな海に大群で生息する。但し、『少数の群れで海や海に近い湖沼等にも分布する。多くの場合、カモ類は同じ場所に生息するため、本種を含めた色々な群が見られる』。『主に潜水して採食する。頭から水中に』一『分近く潜ることもある』。『アサリを始めとする貝類などを食べるが、水草を食べることも希にある。昼間のみならず、夜間も採食する。貝類を採食する時は、貝殻ごと丸呑みにし砂嚢(砂肝)で消化する』。『このため、体内に強力で大きな砂嚢を持っている』。『繁殖地は湖や沼、湿地である。巣は水辺の草むらや藪の中、岩の間に作り、しばしばコロニー状に営巣する。また、カモメやアジサシ類のコロニー内に営巣することもある。一腹で八~十個の『卵を産』み、『抱卵期間は二十四~二十八日である』とある。]

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