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2017/12/09

ジョナサン・スイフト原作 原民喜譯 「ガリヴァー旅行記」(やぶちゃん自筆原稿復元版) フウイヌム ヤーフ君お大事にね (2) /(事実上の「ヤーフ君お大事にね」の了)

 

十一章

 

[やぶちゃん注:現行版では以上の柱は存在せず、前の段落で普通に改行して続いている。]

 

 私が岸を離れたのは、一七一四年二月十五日、朝の九時でした。風向がいいのではじめは櫂ばかりで漕いでゐましたが 、思ひきつて帆を上げました。 舟は主人や友人達は〔、〕私の姿が見えなくなるまで〔、〕海岸に立つて〔、〕見送つてくれてゐました。時時、召使の月毛が、

 「ヤーフ君 お大事にね」

 と、怒鳴つてくれるのが聞えました。

[やぶちゃん注:月毛君の台詞の空きマスはママ「お大事にね」の「ね」の左下には読点のようなものがマスの中にあるが、通常の原稿書きで原民喜こんなところに読点は打たない(一年五ヶ月も自筆原稿とつき合えばそれぐらいのことは身につく)から、これはたまたまペンを置いたか、汚れである。そもそもかれは直接話法の終りに句点を討つことも稀なのである。無論、現行版は『「ヤーフ君、お大事にね。」』である。印象的なエンディングのシークエンスなので、短いし、次に行空けがあるわけでもないけれども、独立させて公開することとする。

「一七一四年二月十五日」日本では丁度、正徳四年正月一日、元旦である。]


 
 

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