芥川龍之介 手帳7 (14) 北京逍遙 (京師第二監獄(推定))
○民國八年建 八萬元(經費) 759-300. Pick-pocket (40%) 罰は三日の斷食 數珠をつまぐるもの 小説をよむもの 眠るもの
[やぶちゃん注:「民國八年」一九一九年。日本は大正八年。
「759-300」数字の意味は不詳。
「Pick-pocket」スリ。これは軽犯罪者矯正施設の描写か。北京在住の教え子から、徳勝門外にあった監獄訪問の際のメモではないかという情報提供があった。芥川龍之介の「雜信一束」に、
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十五 監獄
京師(けいし)第二監獄を參觀。無期徒刑の囚人が一人、玩具(おもちや)の人力車を拵へてゐた。
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とあるそれである。徳勝門は紫禁城の西北直線で約三キロメートルの位置であるから、行動範囲内ではある。残念ながら、北京での芥川龍之介の滞在先がよく判らない。]
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