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2018/01/20

芥川龍之介 手帳8 (17) 《8-19/8-20》

《8-19》

○元柏 上野図書館 言水 選句 海音集 言水追善集

[やぶちゃん注:この一条は旧全集にはない。

「元柏」後の「言水」(次注)から見ても俳号のように思われるが、不詳。

「言水」池西言水(いけにしごんすい 慶安三(一六五〇)年~享保七(一七二二)年)は江戸初期、松尾芭蕉と同時代の俳人。ウィキの「池西言水によれば、『奈良に生まれる。名は則好。通称は八郎兵衛、曽祖父の千貫屋久兵衛は奈良大年寄を務めた家系で父も俳諧を嗜んだと伝えられる。別号は兼志、紫藤軒、洛下童、鳳下堂』。十六『歳で法体して俳諧に専念したと伝えられる。江戸に出た年代は不詳であるが延宝年間』(一六七三年~一六八一年)に大名俳人であった内藤風虎の『サロンで頭角を現し』、延宝六(一六七八)年に第一撰集「江戸新道」を編集、その後、「江戸蛇之鮓(えどじゃのすし)」「江戸弁慶」「東日記(あずまのにき)」などを編し、『岸本調和、椎本才麿の一門、松尾芭蕉一派と交流した』。天和二(一六八二)年の『春、京都に移』って「後様姿(のちようすがた)」を『上梓した後、北越、奥羽に旅し』、天和四(一六八四)年まで西国、九州、出羽・佐渡への』『度の地方行脚を』行っている、貞享四(一六八七)年、伊藤信徳・北村湖春・斎藤如泉らと、「三月物」を編集、但馬豊岡藩主京極高住(俳号に云奴・盲月・駒角)とも『交流した』。元禄三(一六九〇)年に「都曲(みやこぶり)」を編集しているが、一方で、その頃、流行し始めていた前句付・『笠付などの雑俳にも手を染めた』とある。

「海音集」は龍之介の記す通り、京で没した翌享保八(一七二三)年に板行された方設の撰になる追福句集である。「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」画像で入手出来る。]

 

○犬を賣りに來る女の話。ぺグイン鳥の話。不良少年の話。

○犬の着物をつくる店 チヨツキ ハンケチ タイ

○美人の肖像を示す 客それは己の祖母なりといふ 輕き shock

○人氣あるものは Mars の屬なり

[やぶちゃん注:この場合の「Marsは軍神の意であろう。わざわざこれを使ったところに、富国強兵へと傾斜してゆく大日本帝国全体への彼の危惧が逆に感じられるように私には思われる。]

 

Skepticism Simple error

[やぶちゃん注:「Skepticism」懐疑(論)・無神論。]

 

laughter and tears

[やぶちゃん注:笑いと涙。]

 

○スリ手の申へ入れる刃物をたのむ(ヤスリ屋へ)

《8-20》

○巡査病人の藥を落せしをひろひ その家をとどけんとしてさがす

○碧童 五錢を落せし車夫に苦しむ

[やぶちゃん注:「碧童」俳人小澤碧童(明治一四(一八八一)年~昭和一六(一九四一)年)芥川の俳句の師匠で、芥川龍之介の友人の中では最も年嵩(龍之介より十一年上)であったことから「入谷(いりや)の兄貴(あにき)」と称して、敬愛していた。]

 

○女の Kawarake の話 老女 膀胱麻痺 下島先生

[やぶちゃん注:「女の Kawarake」「土器(かわらけ)」であるが、これは近世の性的な隠語で、女性が年頃になっても陰毛のないことを指した。また、そうした今で言う「パイパン」の女性自身をも指した。

「下島先生」下島勲(いさお 明治三(一八七〇)年~昭和二十二(一九四七)年)は医師。日清・日露戦争の従軍経験を持ち、後に東京田端で開業後、芥川の主治医・友人として、その末期を看取った。芥川も愛した俳人井上井月の研究家としても知られ、自らも俳句をものし、空谷と号した。また書画の造詣も深く、能書家でもあった。芥川龍之介の辞世とされる「水涕や鼻の先だけ暮れのこる」の末期の短冊は彼に託されたものであった。]
 

 
○農村問題 地方自治體問題

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