細道
地圖には敏感な細い道が無數にある――それが恐るべき斷崖へと僕らを導く――
あの日は二度來ず――さうして僕らはただ――茫然と「無」の海邊に立ち盡くす自分を傍觀者として「皮相的」に眺める――
彼女の泣き聲が今も聽こえる――それは永劫の呪詛であると同時に永遠の私だけの福音書の祈禱である――
しかし殘念なことには私は墜ちることも無い――何故なら――私は何者をも信じないからである――私は――ただ「無」の「宙」にぶら下がる――それで結構だ――
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地圖には敏感な細い道が無數にある――それが恐るべき斷崖へと僕らを導く――
あの日は二度來ず――さうして僕らはただ――茫然と「無」の海邊に立ち盡くす自分を傍觀者として「皮相的」に眺める――
彼女の泣き聲が今も聽こえる――それは永劫の呪詛であると同時に永遠の私だけの福音書の祈禱である――
しかし殘念なことには私は墜ちることも無い――何故なら――私は何者をも信じないからである――私は――ただ「無」の「宙」にぶら下がる――それで結構だ――