甲子夜話卷之四 26 穴中地震することなき話
4-26 穴中地震することなき話
佐渡の金堀穴の深きことは前に云たり。其後に聞く。此穴の奧く地震することなしと。然に彼國は、餘國と同く地震するなり。俗情を以て考れば、地底ほど地震すべきやうなれども、地は厚きもの故、下ほど實する理なれば、地震せざるか。洋説ますます當れり。又地上も、地震のときは空氣震するものと見へて、強き地震のときは、飛鳥自由に翔りかぬるものなりと云。
■やぶちゃんの呟き
「佐渡の金堀穴の深きことは前に云たり」「甲子夜話卷之四 8 佐州金山の奇事」のこと。また、佐渡の地震と「洋説」についても、既に「甲子夜話卷之三 30 佐渡の潮幷象潟の勝景變ずる事」ででも扱っている。
「金堀穴」「きんほるあな」と読んでおく。
「奧く」「おく」。
「然に」「しかるに」。
「同く」「おなじく」。
「地震するなり」「甲子夜話卷之三 30 佐渡の潮幷象潟の勝景變ずる事」を参照。
「實する理なれば」「じつすることわりなれば」。地下に行けば行くほど、その上部の緻密な実質の圧が加わってより堅固なものとなるのが理窟であるから。「甲子夜話卷之三 30 佐渡の潮幷象潟の勝景變ずる事」でも『地は實したるものゆへ』と述べている。う~ん、断層とか地下水脈とかあるし、必ずしもそうでは、ないけどな。
「洋説ますます當れり」「甲子夜話卷之三 30 佐渡の潮幷象潟の勝景變ずる事」を参照。そこでは『地は實したるものゆへ、橫へ震することは無く、唯上下へゆることに言しは宜なり』とある。
「翔りかぬる」「かけりかぬる」。
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