私の愛した人へ
武ちゃん、俺は、ずっと、好きだったに――
「武ちゃん」とは私が最初に柏陽高校に勤務した時の優しき国語科の後輩である。昨年、癌で亡くなった。まだ、六十前だのに――
これだけは――言っておかねばならぬ――糞のように偉そうなおまえらよりずっとまともに生きた立派な女性であった。
「おまえら」とは?――文字通りの偉そうに教育を語る「おまえら」である。
彼女の名は武田麻佐子という。
僕は永遠に忘れない「美しき娘」である。
「おまえら」の記憶の批判など、いらない。
ただ、彼女の死を報知する必要を切に感じた。
彼女の最期に残した言葉はそうしたものだったからである。
これを語るのは恐らく私だけであろう――
「まさこ! 一緒に腕組んで 海へ、行こう!」

