寧日 山口芳光 (思惟的変更テクスト)
母、吾が爲に
鼠の子蟲籠に入れて與へぬ
病間の徒然なる
吾指もて小づき戲れ
心明るう時を經にけり。
あはれ鼠の子まこと子なれば
耳朶桃色に 血管(ちすぢ)の脈打つも生物(いきもの)らしく
今は前肢を捧げ餌食みゐるも﨟たけし。
やがて夕べの風出でぬ――時を經ぬ間に
何時か牛乳(ちち)の時間となりぬれば
吾鼠の事も忘れ
靑葉繁れる窓に
牛乳(ちち)を飮みゐたり。
[やぶちゃん注:本日、「青空文庫」公開分の一篇である同詩篇を恣意的に漢字を正字化し、原文の「耳孕」を「耳朶」に訂して示した。]
« 甲子夜話卷之四 30 宇和嶋侯、御料理頂戴のとき豪飮の事 | トップページ | 和漢三才圖會第四十一 水禽類 蒼鷺(アオサギ) »

