栗本丹洲自筆「蛸水月烏賊類図巻」 カメノテ
龜の手
[やぶちゃん注:底本は国立国会図書館デジタルコレクションのこちらの画像を用いた。掲げた図も同じで、上下左右をトリミングしてある。キャプションは上記一行のみ。私が海岸動物として最も偏愛する蔓脚類(フジツボの同類)の一種(一属一種)である、
節足動物門甲殻亜門顎脚綱鞘甲亜綱蔓脚(フジツボ)下綱完胸上目有柄目ミョウガガイ亜目ミョウガガイ科カメノテ属カメノテ Capitulum mitella
である。ウィキの「カメノテ」より引いておく。『石灰質の殻をもつ岩礁海岸の固着動物』である。『大きさは』通常、三~四センチメートルであるが七センチメートルにも達する個体もある。『頭状部は殻板』(かくばん)『と呼ばれる大小の硬い殻が左右相称に並』び、『このうちの先端側の』四対は、『大きさはそれぞれに違う』ものの、『先端がとがった三角で、その外側には』、『より小さいものが環状に』十八~二十八個並んでいる。『さらにそこから下に続く柄部の表面は、より細かな鱗状の鱗片が一面にある』。『主要な殻は特に突出したものが』三『対あり、その中央よりのものが最大の長さを持つ。その前後の殻は幅の広いものと狭いものがあるため、最大のものは中央より偏って存在する。この部分に蔓脚のほとんどが収まるが、これは構造上は腹部に当たるので、幅広い殻の方向が前方に当たる。これらの殻を、前方から楯板』(じゅんばん)『・背板・峰板と言い、さらに楯板より前に』、『より小さな嘴板』(しばん)『など、さらにいくつかの目立つ殻がある』。『このような殻の配置は』、『同類であるフジツボ類やエボシガイ類よりかなり数が多く、この類の原始的な構造を残すものとの説がある。例えば』、『フジツボでは楯板と背板が』、『本体そのものを包む殻になり、それ以外のものは外側の殻に発展したとするものである』。『その見た目の形状が亀の手に似ていることからこの名が付けられた。タカノツメ或いはセイ貝と呼ぶ地域もある』(カメノテ・フリークの私として一言言っておくと、この異名「セイ貝」(或いは単に「セイ」とも呼ぶ)の「セイ」は「勢」で、男根を意味する)。『北海道南西部からマレー諸島にまで分布し、潮間帯岩礁の割れ目に群生し、波によって運ばれてくる餌を蔓脚(まんきゃく)を広げて捕食する。蔓脚は紫を帯びる』。雌雄同体であるが、通常は『他個体と交尾する』。『柄の中に有る筋肉は食用となる。茹でて』、『汁物のだしなどに用いる』。はい! 私の大好物でもあります!]
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