栗本丹洲自筆巻子本「魚譜」 キシミダイ (イサキ?)
キシミダイ
黄檣魚ノ一種
[やぶちゃん注:国立国会図書館デジタルコレクションのこちら(「魚譜」第一軸)の画像の上下左右をトリミングして用いた。またしても悩ましい色をしている。前にもあったが、栗本丹洲の魚図の体色にはどう考えてもあり得ない異常なものが、これ、しばしば見られる。されば、ここも大胆に色を度外視して名前と魚体の体勢から考えてみた。ところが、いくら調べてみても「キシミダイ」というこのありそうな異名は現代に残っていないようで、如何なるネット検索にも引っ掛かってこない。しかし「キシミ」ってなんだ? 「黃染み鯛」か? 鰭の黄色か? そういゃあ、後の「黄檣魚」は前にも「ヒメ小鯛・黄檣魚(キグチ)」とか、体色異常の「紅■■ (イサキ)」のキャプションに出てたよな? 前の奴はどうだ?(その図)……あちゃ……面(つら)が似てねぇなあ。待てよ? これはスズキ目スズキ亜目ニベ科キグチ属キグチ Larimichthys polyactis に同定したんだが、あの時、調べてた時に、なんだか頭の形がこんな、こう、ズングリした奴がキグチの仲間にいたぞう! おお! そうだ! 顎のシャクれた感じのあいつ、
スズキ目スズキ亜目ニベ科キグチ属フウセイ Larimichthys crocea
だ! グーグル画像検索「Larimichthys crocea」を見てみてくれ。こりゃ、頭がクリソツじゃねえか! ただなぁ……尾鰭の形状がな~あ、中央が凹むんじゃなくて、後ろに突出してねえとなぁ……あれぇ?……でも……そうすると、「ヒメ小鯛・黄檣魚(キグチ)」の同定も誤り(キグチも同じ団扇みたような尾鰭)ということになっちまうぞ……う~ん、墓穴掘っちまった!…………しゃあねぇな!(「どですかでん」の六ちゃん風に) じゃあ、もう一つのイサキん方は、どうよ? 赤いイサキなんていねえって? だからさ、言ったろ?! 色は無視、す、ん、の! にしても、似てねえってか? う~ん、確かに……いや?……待て、待て! 「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」の「イサキ」の三つ並んだ写真の中央、おう! それそれ! クリックしてみな! なんか、似てねえか? 鰭、黄色いな! それに幼魚や若魚は『やや明るい茶色で濃い褐色の縞文様が縦に走る』ってあるよな? これを全面的に強着色すると紅くなるとも言えるよな? 或いはこれも体色異常の、
スズキ目スズキ亜目イサキ科イサキ属イサキ Parapristipoma trilineatum
てか? 分らん!]


