諸國里人談卷之四 龍池
○龍池(りうち)
相州江之嶋窟(いはや)のひがしの方に、穴あり。海際(うみぎは)なるゆへ[やぶちゃん注:ママ。]、打ツ浪、くだんの穴に入〔いり〕て、その水、戾らず。此所、弁天出現の所と云〔いへ〕リ。○此島の磯に「福石(ふくいし)」といふあり。此石の前にて錢(ぜに)あるひは貝類を拾へば、かならず、福(さひはひ)をうると云〔いふ〕。又、傍(かたはら)に「蛙石(かへるいし)」あり。形、相似〔あひに〕たり。
[やぶちゃん注:私の「新編鎌倉志卷之六」の掉尾の「江島」(えのしま)の本文及び私の注を参照されたい。私の撮った写真もある。同じく私の「鎌倉攬勝考卷之十一附錄」の冒頭も参考になろう。それら以上に私は言い添えることはない。]