萩原朔太郎詩集「月に吠える」正規表現版 死
死
みつめる土地(つち)の底から、
奇妙きてれつの手がでる、足がでる、
くびがでしやばる、
諸君、
こいつはいつたい、
なんといふ鷲鳥だい。
みつめる土地(つち)の底から、
馬鹿づらをして、
手がでる、
足がでる、
くびがでしやばる。
[やぶちゃん注:初出は『詩歌』大正三(一九一四)年十一月号。七行目の「土地」にルビがない以外は、全く同じである。]
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