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2018/11/22

大和本草卷之十三 魚之上 𫙬𮈔魚 (ギギ類)

 

𫙬𮈔魚 時珍食物本草註云諸生溪河中長五六

 寸黃褐色無鱗濶口口有細齒如鋸鰓下有硬刺

 骨亦硬善吞小魚肉薄味短氣味甘平無毒主益

 脾胃和五藏發小兒痘疹多食生疥々山中

 溪河ニアリアギノ下ノ兩傍ニヒレアリ又背ニヒレアリ皆刺

 ナリ三處共ニ人ノ手ヲフルレバ人ヲサシテ痛ムナマツニ似

 テ小ナリ又鰷ノ形ニ少シ似タルモアリ黃褐色ナリ處々ニ斑

 文アリテ段ヲナスモアリ長三四寸或五六寸山州嵯

 峨ノ川ニテミコ魚ト云ハギヾノ赤キ也形狀ハ同シ筑紫

 ノ村民蜂振ト云ハリアル故名ツク海ニモ此ノ魚アリ案ニ

 本草所載之黃顙魚又號黃𩼝魚又名䱀䰲時珍云

[やぶちゃん注:「黃𩼝魚」の「𩼝」の(つくり)の下部は「甘」ではなく「耳」のように見えるが、このような漢字が見当たらないので取り敢えず、これを当てておく。中文サイトで「玉篇」なる書物に「黃鱨魚」という名が載っており、「鱨」の異体字が「𩼝」であるからである。]

 無鱗魚也身尾俱似小鮎腹下黃背上靑黃情最

 難死反荊芥今案恐クハコレ𫙬𮈔魚ト同物異名ナルヘシ

 凡異名同物多シ黃顙魚ヲタラト訓スルハ非ナリ

○やぶちゃんの書き下し文[やぶちゃん注:」=「糸」+「系」。]

𫙬(ギヾ)魚 時珍「食物本草」の註に云はく、『諸溪河中に生ず。長さ、五、六寸、黃褐色、鱗、無く、濶〔(ひろ)〕き口(くち)。口に細き齒、有り、鋸のごとし。鰓〔(あぎと)〕〔の〕下、硬き刺〔(はり)〕有り。骨も亦、硬く、善く小魚を吞む。肉、薄く、味、短〔(おと)れり〕。氣味、甘、平。毒、無し。脾胃を益し、五藏の和〔す〕ことを主〔(つかさど)〕る。小兒の痘疹を發し、多く食へば、疥〔(はたけ)〕を生ず』〔と〕。○處々山中溪河にあり。あぎ〔と〕の下の兩傍に、「ひれ」あり、又、に「ひれ」あり、皆、刺(はり)なり。三つ處共に、人の手をふるれば、人をさして、痛む。ナマヅに似て小なり。又。鰷〔(ハヤ)〕の形に少し似たるもあり。黃褐色なり。處々に斑文ありて段をなすもあり。長さ、三、四寸、或いは、五、六寸。山州嵯峨の川にて「ミコ魚」と云ふは「ギヾ」の赤〔きもの〕なり。形狀は同じ。筑紫の村民、「蜂振(〔ハチ〕フリ)」と云ふ。はりある故、名づく。海にも此の魚あり。案ずるに、「本草」所載の「黃顙魚」、又、「黃𩼝魚」と號し、又、「䱀䰲」と名づく。時珍云はく、『無鱗魚なり。身・尾、俱に、小〔さき〕鮎(ナマヅ)に似て、腹の下、黃。背の上、靑黃。情、最も死に難〔(がた)〕し。荊芥〔(けいがい)〕に反す。今、案ずるに、恐らくは、これ、「𫙬𮈔魚」と同物異名なるべし。凡そ、異名同物、多し。「黃顙魚」を「タラ」と訓ずるは非なり。

[やぶちゃん注:やや問題点(中国のそれは良安の推理する通り、ギギ科Bagridae のギギの仲間である可能性は結構あるが(ナマズに似てしかも時珍は「軋軋」(現代中国語では「yàyà」。「ィアィア」)と鳴くとする(後掲)からである)、別種である(本邦産種は以下に見る通り、総て日本固有種)。また、後で注するように「ミコ魚」=「蜂振」についてははギギ類ではないがあるが、本邦産種としては、

条鰭綱ナマズ目ギギ科ギバチ属ギギ Pelteobagrus nudiceps(新潟県阿賀野川より以南、四国の吉野川、九州東部まで分布する日本固有種)

をまず挙げてよかろう。それ以外に、同じギギ科の、

ギギ科 Pseudobagrus 属ネコギギ Pseudobagrus ichikawai(愛知県・岐阜県・三重県(伊勢湾・三河湾流入河川)に分布する日本固有種。体色は黒褐色に黄褐色の斑紋が入る。幼魚は明色斑が明瞭であるが、成長に伴い、不明瞭となる。絶滅危惧IB類(EN))

ギバチ属ギバチ Pseudobagrus tokiensis(神奈川県・富山県以北の本州に分布する日本固有種。体色は茶褐色から黒褐色。幼魚は黄色味を帯びたはっきりとした斑紋を有する)

や、長くそのギバチと同種とされてきたが、近年、染色体数の違いなどから独立種とされた、

ギバチ属アリアケギバチ Pseudobagrus aurantiacus(九州西部及び長崎県壱岐に分布する日本固有種。準絶滅危惧種(NT))

も掲げておく必要がある(後者は特に益軒のフィールド辺縁であるからである)。非常に興味深いのは、これら四種は夜行性で、音を発すること、無鱗で棘を有することなど、その習性や生態はよく似ているが、本邦内での分布が全く重なっておらず、自然に棲み分けをしている点である(熊本県球磨川にギギがいるが、これは琵琶湖からの人為移入と推測されている)。ウィキの「ギギから引く。『琵琶湖、岡山県、広島県で』「ギギ」及び「ギギウ」、『岐阜県で』「クロイカ」及び「クロザス」と呼ぶ、とある。『全長は』三十センチメートル『にもなるなど、ギギ科のなかで最も大きくなる。同じギギ科のギバチに似ているが、ギギは尾びれが』二『叉になっているので区別できる。背びれに』一『棘』七『軟条、尻びれに』二十『軟条、腹びれに』六『軟条、触鬚が』四『対。上顎に』二『対、下顎に』二『対、合計』八『本の口ひげがある。昼間は岩陰に潜み、夜間に出て』、『底生動物や小魚などを食べる。腹びれの棘と基底の骨をすり合わせ、「ギーギー」と低い音を出す』(漢字で「義義」・「鱨」本文内の私の注を参照)等と記すが、和名はこのオノマトペイアである)。『背びれ・胸びれの棘は鋭く、刺さると痛い』。『直径約』二ミリメートル『の強い粘着性のある黄褐色の卵は』千二百『粒から』二千百『ほど産卵された後に約』七十『時間で孵化し、体長』五ミリメートル『程度の稚魚となる。稚魚は』一『週間で卵黄を吸収し』九ミリメートル『程度まで成長すると、摂食を開始する』。『煮物、フライ、天ぷらなど、食用として利用される』が、現在は個体数が減ってきており、各地で希少種とされていて、保全すべき種になりかけている。私が小学校二年生の時、最初に買って貰った小学館の「魚貝の図鑑」で真っ先に魚体と名前を覚えたのがギギだった。名前が怪獣みたようだったことと、そのブッ飛びの命名由来と、危険がアブナい毒針との三役揃い踏みときた上に、その直後に裏山の溜池の水門でモッゴ(条鰭綱コイ目コイ科モツゴ属モツゴ Pseudorasbora parva獲りの最中、見かけたような気がしたから、衝撃の刷り込み効果が生じたのであった。

「𫙬𮈔(ギヾ)魚」サイト「真名真魚(まなまな)字典」のこちらで、本条を引き、最後に、この奇体な二字について、『二字とも大辞典に記載なし』。孰れも、本字一『字だけで魚の名をあらわす用例は見当たら』ず、「𮈔」或いは「絲」を『伴って、ギギをあらわす。ツクリの』「盎」『は、おそらく、ギギを中国でも現してきた』「䱀䰲」の「」の「央(オウ)」『と、まったく別文字だが』、『マナガツオやタナゴを指す』「鰪」の(へん)の(アフ(オウ))『とが、混同して(意識的か無意識かはわからないが)生まれた文字のような気がする。また、翻刻に当って』、「絲」及び「𮈔」とを『同字として活字化している場合』(「古事類苑」等)が『あり、原典執筆者の用例に戻り』、『確認が必要かもしれない』とある。

『時珍「食物本草」の註』明の汪穎の食療食養専門書「食物本草」に同時代の李時珍が注したものか。

「脾胃」漢方で広く胃腸・消化器系を指す語。

「五藏の和〔す〕こと」「心(しん)」・「肝」・「脾」・「肺」・「腎」の五つの内臓(現代医学のそれとは必ずしも一致しない)の全体のバランスを整える機能・機序。

「小兒の痘疹を發し」子どもが食べると天然痘を発症し。ちと大袈裟過ぎである。天然痘様の激しい発疹と採っておく。

「疥〔(はたけ)〕」顔面単純性粃糠疹(ひこうしん:pityriasis simplex faciei)の俗称。顔面に、境界が比較的鮮明で軽い、色素脱失性の大小の円形病変が生じる疾患。病変部は乾燥し、粃(しいな:籾殻(もみがら))や糠(ぬか)のような感じで落屑(らくせつ:皮膚の表層が大小の角質片となって剝げ落ちること)するため、白っぽく粉を掃いたように見える。通常は自覚症状がない。発赤や丘疹がみられることもある。以前は「顔面白癬」と考えられていたが、現行では白癬菌が病原体であるとは証明されていない。思春期前の小児、特に男児に多く、思春期になり、皮脂分泌が増えると自然に治癒する。症状は夏季に顕著になる。同様の病変が頭部に生じるものは「頭部単純性粃糠疹」、顔面と頭部に生じるものは「顔面頭部単純性粃糠疹」と呼ばれる(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)。

「鰷〔(ハヤ)〕」複数回既出既注であるが、再掲しておく。複数の種の川魚を指す。ハヤ(「鮠」「鯈」などが漢字表記では一般的)は本邦産のコイ科(条鰭綱骨鰾上目コイ目コイ科 Cyprinida)の淡水魚の中でも、中型で細長い体型を持つ種群の総称通称である。釣り用語や各地での方言呼称に見られ、「ハエ」「ハヨ」などとも呼ばれる。呼称は動きが速いことに由来するともされ、主な種としては、

コイ科ウグイ亜科ウグイ属ウグイ Tribolodon hakonensis

ウグイ亜科アブラハヤ属アムールミノー亜種アブラハヤ Rhynchocypris logowskii steindachneri

アブラハヤ属チャイニーズミノー亜種タカハヤ Rhynchocypris oxycephalus jouyi

コイ科 Oxygastrinae 亜科ハス属オイカワ Opsariichthys platypus

コイ科 Oxygastrinae亜科カワムツ属ヌマムツ Nipponocypris sieboldii

カワムツ属カワムツ Nipponocypris temminckii

などが挙げられる。ここでそれらに「形に少し似たるもあり」と言うところが、私が当初、少し同定比定を躊躇したところである。以上の「ハヤ」類はナマズ目 Siluriformes のナマズ類とは全く縁がなく、普通にイメージするナマズと彼らは全く似ていないからである。しかしながら、ギギ類はこちらの小学館「日本大百科全書」の解説の脇にある博物画(クリックで拡大出来る。ネコギギ・ギバチ・ギギの三種の図がある)を見て戴くと判る通り、実はナマズの癖にナマズナマズしていない、ちょいとハヤっぽいスマートな流線型をしているのである。特にギギは尾鰭が二叉していて、似ていると言えるのである。

「處々に斑文ありて段をなすもあり」先に示した通り、若年個体にはこうした斑紋が見られる。

「山州嵯峨の川」山城国嵯峨川は嵯峨嵐山附近を流れる保津川の別称。

「ミコ魚と云ふは「ギヾ」の赤〔もの〕なり」これが一番引っ掛かった。結論から言うと、これはギギ科 Bagridae のギギ類ではない「赤佐」で、ナマズ目 Siluriformes ではあるが、アカザ科 Amblycipitidae の、アカザ属アカザ Liobagrus reini である。ウィキの「アカザ」によれば、『胸鰭と背鰭に鋭く毒のある棘条があり、その棘条に刺されると痛いことからつけられたアカザスが転訛してこの名になったとされている。他には、アカネコ、アカナマズの名がある。日本固有種で、秋田県、宮城県以南の本州と四国、九州に分布する』。『ナマズの仲間としては小型で、体長は最大』十『前後。ドジョウのように円筒形の細長い体型をしており、英名でもLoach catfish(ドジョウナマズ)と呼ばれる。体色は、やや赤色がかるが地域変異が大きい。生息域の重複や頭部の形状などの特徴から』、『ギギやギバチに若干似るが、以上のような特徴から識別は容易である。また、他種と比べて頭部が小さく』、『側線が胸鰭の後ろ近辺までしかないという違いがある。口ひげは上顎に』二『対、下顎に』二『対の計』八『本である。胸鰭に』一『本ずつ、背鰭に』一『本の刺条を持つ。刺条には毒腺があり、刺されると痛む。背鰭の後部には脂鰭があるが』、『その基底は長く、後端で尾鰭と連結する。尾鰭の後縁は丸く扇形になる』。『水温の低い河川の上流域下部〜中流域、渓流部の清澄な水底に生息する。高温に弱く、水温が』二十五『度以上になると死亡個体が出始める』。『夜行性。日中は水底の浮き石の下、岩の隙間などに隠れており、夜間や水の濁った時に活動する。形態と同様、動作もドジョウに似ており、水底の石の間を伝いぬうように動き回る。肉食性で、主に水生昆虫を捕食する』。『卵はゼリー状の物質に守られ、ひとかたまりに産み付けられる』とある。しかし、画像を幾つか並べてみると、素人目にはギバチとかなり似ており、夜行性であること、毒針を有すること等、これは益軒がギギ類と誤認しても無理はないと私は思ったものである。

『筑紫の村民、「蜂振(〔ハチ〕フリ」と云ふ』ぼうずコンニャク氏の「市場魚貝類図鑑」のアカザのページの「地方名・市場名」の欄に『ハチウオ』『ハチナマズ』とあった。一方、同氏のギギページには「ハチ」で始まる異名はないから、この呼称は正しく「アカザ」を指している可能性が頗る高いと思う。

「海にも此の魚あり」これを問題にする人がいるかも知れぬが、どっこい! 背鰭と胸鰭の第一棘条が毒棘となっている、危険海水魚として名の知れた、ナマズ目ゴンズイ科ゴンズイ属ゴンズイ Plotosus japonicus 「ギギ」「ハゲギギ」「ググ」(真正のギギの地方名に「クグ」がある)「ギギュウ」といった「ギギ」と同じ名・異名をも持っているのである。海に「ギギ」は「いる」んですよ!

「本草」「本草綱目」巻四十四の「鱗之四」に(「主治」は略す)、

   *

黃顙【「食療」。】

釋名黃鱨魚【古名。】。黃頰魚【「詩註」。】。䱀䰲【央軋。】黄。時珍曰、顙、頰以形、鱨以味、軋以聲也。今人析而呼爲黃、黃軋。陸璣作黃、楊謬矣。

集解時珍曰、黃顙、無鱗魚也。身尾俱似小鮎、腹下黃、背上靑黃、腮下有二橫骨、兩鬚、有胃。羣游作聲如軋軋。性最難死。陸璣云、魚身無頭、頰骨正黃。魚之有力能飛躍者。陸佃云、其膽春夏近上、秋冬近下。亦一異也。

氣味甘、平、微毒。詵曰、無鱗之魚不益、人發瘡疥。時珍曰、反荊芥、害人。

   *

「鮎(ナマヅ)」条鰭綱新鰭亜綱骨鰾上目ナマズ目ナマズ科ナマズ属ナマズ Silurus asotus。禅宗の公案を絵画化した「瓢鮎図」で知られる通り、漢語漢字・中国語としての「鮎」はナマズを指す。因みに、中国では条鰭綱キュウリウオ目キュウリウオ亜目キュウリウオ上科キュウリウオ科アユ亜科アユ属アユ Plecoglossus altivelis は「香魚」である(アユは北海道・朝鮮半島から中国・ベトナム北部まで、東アジア一帯に分布するが、本邦がその中心である)。

「情」性質。

「最も死に難〔(がた)〕し」なかなか死なない。ナマズ類は概して強健ではある。

「荊芥に反す」「荊芥」シソ目シソ科イヌハッカ属ケイガイ Schizonepeta tenuifoliaの全草を乾燥させたもの。ウィキの「ケイガイによれば、『中国原産の草本で花期は初夏から夏』。『花穂は発汗、解熱、鎮痛、止血作用などがあり、日本薬局方に生薬「荊芥(ケイガイ)」として収録されている。荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などの漢方方剤に配合される。「アリタソウ」という別名がある。ただし、本種はシソ科であり』、和名『アリタソウ』(有田草:ナデシコ目ヒユ科 Chenopodioideae Chenopodieae
連アカザ属アリタソウ Chenopodium ambrosioides)『とは全く別の物である』とあるので注意が必要。漢方サイトによれば、高さは六十~八十センチメートルで、シソ科特有の強い香気を有し、初夏に淡い紫紅色の小花を穂状(すいじょう)につけた際に採取し、感冒による熱・頭痛・鼻炎・咽喉の痛みなどを改善する働きがあるとする。

『「黃顙魚」を「タラ」と訓ずるは非なり』確かに。「本草綱目」のそれは鱈(条鰭綱タラ目タラ科タラ亜科 Gadinae のタラ類。日本近海では北日本沿岸にマダラ(マダラ属マダラ Gadus macrocephalus)・スケトウダラ(スケトウダラ属スケトウダラ Theragra chalcogramma)・コマイ(コマイ属コマイ Eleginus gracilis)の三属三種が分布するが、単に「タラ」と呼んだ場合はマダラを指すことが多い)じゃあ、ないねえ。]

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