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2019/01/07

和漢三才圖會卷第四十四 山禽類 鷂(はいたか・はしたか) (ハイタカ)

 

Haitaka

 

はしたか    鷣【音淫】 負雀

はいたか   【和名波之太加俗云波以太加】

【音耀】

      
○兄鷂【このり】

セウ    【和名古能里】

 

△鷂似鷹而小者非鷹之雛別此一種也遍身如鷹多黑

斑腹有黃黑斑者有赤白交斑者又有胸腹灰赤色交黑

赤斑背純黑含光者皆能捉鳬鷺已下小鳥而鷙鴻鴈等

者少矣

兄鷂 鷂之雄也脚極細而易折能捉鶉已下小鳥最俊

 者捉鷺 又有丹兄鷂者毛色如塗丹

凡鷹以雌爲狩獵之用惟鷂雌雄共兼用尾州木曾山中

 及北國有之

                  定家

  はいたかの飛て落たる村草に駒打よせてひねりぬく也

  同じ秋渡るこのりはさもあらて雀鷹こそ餌ふたふになれ

 

 

はしたか    鷣〔(いん)〕【音「淫」。】 負雀

はいたか   【和名、「波之太加」。

        俗に云ふ、「波以太加」。】

【音、「耀〔(エウ)〕」。】

      ○兄鷂【「このり」。】

セウ    【和名、「古能里」。】

 

△鷂は鷹に似て、小さき者なり。鷹の雛に非ず。別に、此れ、一種なり。遍身、鷹のごとく、黑斑多く、腹に黃黑の斑有る者、赤白〔の〕斑を交じる者有り。又、胸・腹、灰赤色に〔して〕黑赤〔の〕斑を交へ、背、純黑〔にして〕光〔澤〕を含む者〔も〕有り。皆、能く鳬(かも)・鷺已下〔(いか)〕〔の〕小鳥を捉へ、鴻〔((ひしくひ))〕・鴈〔(がん)〕等を鷙〔(と)〕る者は少し。

兄鷂(このり) 鷂(はいたか)の雄なり。脚、極めて細くして折れ易し。能く鶉〔(うづら)〕已下の小鳥を捉〔(と)〕る。最も俊なる者は鷺を捉る。 又、「丹兄鷂(たんこのり)」といふ者有り、毛の色、丹〔(に)〕を塗りたるがごとし。

凡そ、鷹〔は〕雌を以つて狩獵の用と爲す。惟だ、鷂は雌雄共に兼用す。尾州・木曾の山中及び北國〔に〕之れ有り。

                  定家

  はいたかの飛びて落ちたる村草〔(むらくさ)〕に

     駒打ちよせてひねりぬくなり

  同じ秋渡るこのりはさもあらで

     雀鷹〔(すずめだか)〕こそ餌〔(ゑ)〕ふたふになれ

[やぶちゃん注:なぜかしら私の非常に好きな、タカ目タカ科ハイタカ属ハイタカ Accipiter nisusウィキの「ハイタカ」によれば、『ユーラシア大陸の温帯から亜寒帯にかけての広い地域に分布して』おり、『日本では、多くは本州以北に留鳥として分布しているが、一部は冬期に暖地に移動する』。全長はで約三十二センチメートル、で約三十九センチメートル。『オスは背面が灰色で、腹面には栗褐色の横じまがある。メスは背面が灰褐色で、腹面の横じまが細かい』。『「疾き鷹」が語源であり、それが転じて「ハイタカ」となった。かつては「はしたか」とも呼ばれていた』(孰れも「疾」の訓の「早い」の「はし」の転訛であろう)。『元来』、『ハイタカとは、ハイタカのメスのことを指す名前で、メスとは体色が異なるオスはコノリと呼ばれた』「大言海」に『よれば、コノリの語源は「小鳥ニ乗リ懸クル意」であるという』。『低地から亜高山帯にかけての森林や都市部に生息する。樹上に木の枝を束ねたお椀状の巣を作る』。『食性は動物食で、鳥類や昆虫類などを空中または地上で捕食する』。一回で四、五個の『卵を産む』。『オオタカ』(タカ目タカ科ハイタカ属オオタカ Accipiter gentilis)『と共に鷹狩に用いられた』とある。グーグル画像検索「Accipiter nisusをリンクさせておく。

 

「鳬(かも)」広義のカモは、カモ目カモ亜目カモ科 Anatidae の仲間、或いはマガモ属 Anas の中でも、小型な種群を指す。

「鷺」広義にはサギ科 Ardeidae のサギ類を総称するが、ここはサイズが中型から小型のものに限られてくるので、はっきりとは言い難い。但し、サギ科コサギ属コサギ Egretta garzetta 辺りより小型の種群を指していると考えるのが妥当であろう。それでも成体は全長六十センチメートルにも達する。

「鴻〔((ひしくひ))〕」カモ科マガン属ヒシクイ Anser fabalis。全長七十八センチメートルから一メートルに達する

「鴈」広義のガン(「雁」)は先に示した広義のカモよりも大きく、ハクチョウ(カモ科AnserinaeCygnus属の六種及びCoscoroba 属の一種の全七種。全長百四十~百六十五センチメートルで、翼開長は二百十八~二百四十三センチメートルあるだけでなく、飛翔する現生鳥類の中では最大級の重量を有する種群で、平均七・四~十四、最大で十五・五キログラムにも達する)より小さい種群の総称である。

「鶉〔(うづら)〕」キジ目キジ科ウズラ属ウズラ Coturnix japonica。全長は約二十センチメートルで、翼開長でも九・一~十・四センチメートルである。のハイタカのターゲットの個体の大きさの限界値は頗る小さい。恐らくは、より体重が小さく、脚も細いから、襲う対象の全長がさらに三回以上も小さくなってしまうのであろうか。

「村草〔(むらくさ)〕」叢。

「雀鷹〔(すずめだか)〕」「雀鷂」とも書き、前項の「鷹」に既出。タカ目タカ科ハイタカ属ツミ Accipiter gularis 

「餌〔(ゑ)〕ふたふになれ」意味不明。識者の御教授を乞う。]

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