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2019/01/07

和漢三才圖會卷第四十四 山禽類 雀鷂(すすみだか・つみ) (ツミ)

 

Tumi

 

すゝみだか  【和名須々美太加

 つみ     或云豆美】

雀鷂

        雀𪀚【ゑつさい】

       【和名悦哉】

△雀鷂乃鷂之屬翅彪橫如卷成者名藤黑彪

雀𪀚 雀鷂之雄也其大如鵯共能捉雀小鳥

                  定家

    かたむねをなほかひ殘すゑつさいのいかにしてかは鶉とるらん

鶙鵳【和名乃世】 鷂之屬今人不畜用之捉鳥不及諸鷹也

 

 

すゞみだか  【和名、「須々美太加」。

 つみ     或いは云ふ、「豆美」。】

雀鷂

        雀𪀚〔(ヱツサイ)〕【「ゑつさい」。】

       【和名、「悦哉」。】

△雀鷂〔は〕乃〔(すなは)ち〕鷂〔(はいたか)〕の屬(たぐ)ひ。翅〔の〕彪(ふ)、橫に卷き成す者のごとくなるを、「藤黑の彪(ふ)」と名づく。

雀𪀚(ゑつさい)は 雀鷂(つみ)の雄なり。其の大いさ、鵯(ひよどり)のごとく、共に能く雀・小鳥を捉〔(と)〕る。

                  定家

    かたむねをなほかひ殘すゑつさいの

       いかにしてかは鶉とるらん

鶙鵳〔(ていけん)〕【和名、「乃世〔(のせ)〕」。】 鷂の屬。今、人、之れを畜用せず。鳥を捉(と)ること、諸鷹〔(しよよう)〕に及ばざればなり。

[やぶちゃん注:タカ目タカ科ハイタカ属ツミ Accipiter gularis gularis の他に、八重山列島固有亜種リュウキュウツミ Accipiter gularis iwasakiiが確認されている。「雀鷹」とも書く。ここは主文がそので、「雀𪀚(ゑつさい)」がそのである。ウィキの「ツミ」によれば、インドネシア・カンボジア・シンガポール・タイ・中国・台湾・フィリピン・ブルネイ・ベトナム・マレーシア・ラオス及びマーシャル諸島・朝鮮半島・日本に棲息し、夏季に中国『東部や日本、朝鮮半島で繁殖し、冬季は中』『国南部や東南アジアに南下して越冬する。日本では基亜種が温暖な地域では周年生息(留鳥)するが、寒冷地では冬季に南下(夏鳥)することもある』。全長はで三十センチメートル、で二十七センチメートル、翼開長は五十~六十三センチメートル、体重は七十五~百六十グラム。漢字表記の「雀」は『「小さい」の意で、和名はスズメタカが変化したメスに対しての呼称に由来する』(とか言って、この転訛過程、全然判らないんですけど! 信じ難い!)。『下面は白い羽毛で覆われる』。『眼の周囲は黄色』い。『幼鳥は上面が暗褐色、下面が淡褐色の羽毛で覆われる。胸部に縦縞、腹部にハート状、体側面に横縞状の暗褐色の斑紋が入る。虹彩は緑褐色。オスの成鳥は上面が青味がかった灰色、胸部から体側面はオレンジ色の羽毛で覆われる。虹彩は赤褐色。メスの成鳥は上面は灰褐色、下面には暗褐色の横縞が入る。虹彩は黄色』い。『平地から山地の森林に生息』し、『単独もしくはペアで生活する』。『食性は動物食で、主に小形鳥類を食べるが、爬虫類、小形哺乳類、昆虫なども食べる。漢字表記の雀はスズメも含めた小型の鳥類を捕食することにも由来し、英名』(Japanese sparrowhawk)『(sparrow=スズメ)と同義』。『繁殖期には縄張りを形成する。針葉樹の樹上に木の枝を組み合わせた巣を作り』四~六『月に』一『回に』二~五『個の卵を産む。メスのみが抱卵を行い、抱卵期間は約』三十『日。雛は孵化から約』三十『日で巣立つ』。『本来』、『ツミは、巣の半径』五十メートル『以内に侵入するカラスなどの捕食者に対し』、『防衛行動を行うことから、卵や雛の捕食を避けるためにオナガ』(スズメ目カラス科オナガ属オナガ Cyanopica cyana)『がツミの巣の周囲で繁殖することが多かった。だが』、『近年ではカラスの個体数が増加し、ツミが防ぎきれなくなったことから』、『カラスに対し』、『あまり防衛行動を行わなくなり、オナガがツミを頼りにすることが減ってきている』とある。

「かたむねをなほかひ殘すゑつさいのいかにしてかは鶉とるらん」よく判らん。片方の胸(或いは翼か)をひどく怪我しているのか?

「鶙鵳〔(ていけん)〕【和名、「乃世〔(のせ)〕」。】」うじゃうじゃ良安言って「ノセ」という和名の独立種がいるように書いているのだが、そんな名のハイタカの仲間は見当たらない。「和名類聚鈔」の巻十八「羽族部第二十八 羽族名第二百三十一」に、

   *

鶙鵳 「廣雅」云、『鶙鵳【「帝」「肩」二音。「漢語抄」云「乃世」。】]鷂屬也』。

   *

と、鷹匠辺りがダメな鷹を「ノセ」とか言っているように誤認したか、或いはそう、区別していたかして、独立種と誤認したものではなかろうか? 現行では単にハイタカの異名としている。鷹」では、雌より雄が小さいことから、『「兄(せう)」と稱す【和名、「勢宇」。「小(セウ)の字音のごとし。】」とあったし、」の項では鷂の雄を「兄鷂(このり)」としていた。「兄」は古語で「せ」である。「野」生のハイタカ類のちんまい弱そうな鷹狩には使えそうもない雄を「野兄」で「のせ」と呼んだのではあるまいか? などと夢想したりした。]

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