沖の小島 國木田獨步
沖の小島
沖の小島に雲雀があがる
雲雀すむなら畑がある
畑があるなら人がすむ
人がすむなら戀がある
[やぶちゃん注:初出は『國民新聞』明治二八(一八九五)年八月十六日附で、標題は「獨步吟」で、無題。前の「山中」と併載された。初出は一部語句が異なり、感嘆符も用いられていて、かなり印象が異なるので、以下に示す。
沖の小島
沖の小島に雲雀があがる!
雲雀居るなら畑がある
畑があるなら人がすむ
人がすむなら戀がある!
このままだったら、これ、かなりナウい!]

