晃山の春 國木田獨步
晃山の春
高峰たゞよふ朝霧に
白銀(しろかね)つゝむ雪晴れて
朝日まばゆくてりはえぬ
梢の小鳥聲淸く
池のさゝなみ影あかし
みぎはの花も咲きいでぬ
川すそ遠く眺むれば
空もかすみて見えわかず
都の春や老ぬらん
[やぶちゃん注:初出は『國民之友』明治三〇(一八九七)年五月。初出では標題は「日光山中」で、「晃山」(「こうざん」と読んでおく)とは一見、「日光」の字を単に合字させたもののように見えるが、実は現在の「奥日光」をこう呼称するのである。]
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晃山の春
高峰たゞよふ朝霧に
白銀(しろかね)つゝむ雪晴れて
朝日まばゆくてりはえぬ
梢の小鳥聲淸く
池のさゝなみ影あかし
みぎはの花も咲きいでぬ
川すそ遠く眺むれば
空もかすみて見えわかず
都の春や老ぬらん
[やぶちゃん注:初出は『國民之友』明治三〇(一八九七)年五月。初出では標題は「日光山中」で、「晃山」(「こうざん」と読んでおく)とは一見、「日光」の字を単に合字させたもののように見えるが、実は現在の「奥日光」をこう呼称するのである。]