告天子 國木田獨步
告 天 子
身をば心に任せつゝ
心を天にまかせつゝ
花野のかげの塒をば
あけの眞珠の星に立つ
[やぶちゃん注:同じく「獨步遺文」より。
「告天子」とは雲雀、スズメ目スズメ亜目ヒバリ科ヒバリ属ヒバリ Alauda arvensis の異名(漢異名由来)で、通常は「かうてんし(こうてんし)」と読むのが一般的である。但し、ここはこれで「ひばり」と素直に私は読みたい。個人的に種としてのヒバリが好きだし、その「ひばり」の響きも好きだからである。本邦には亜種ヒバリAlauda arvensis japonica が周年生息(留鳥)し(北部個体群や積雪地帯に分布する個体群は、冬季になると、南下する)、他に亜種カラフトチュウヒバリ Alauda arvensis lonnbergi や亜種オオヒバリ Alauda arvensis pekinensis が、冬季に越冬のために本州以南へ飛来(冬鳥)もする。詳しくは私の「和漢三才圖會第四十二 原禽類 鷚(ひばり)(ヒバリ)」を参照されたい。
「塒」老婆心乍ら、「ねぐら」と読む。]

