門邊の兒供 國木田獨步
門邊の兒供
街の塵にまみれつゝ
浮世の風に吹かれつゝ
門邊に遊ぶ子供等の
よろこぶ樣を見る每に
あはれ子供よなれも亦
住みて悲しきあさましさ
此世に生れをひたちて
淚の谷へいそぐなる
げに哀れぞと思ひやり
空ゆく雲をながめては
雲のゆくへのきはみなき
深き思に沈むなり
[やぶちゃん注:初出不明。「門邊の兒供」は「かどべのこども」。「門邊」はシチュエーションから門のある家とは思われないから、貧しい民家の家の前の謂いと採る。]
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門邊の兒供
街の塵にまみれつゝ
浮世の風に吹かれつゝ
門邊に遊ぶ子供等の
よろこぶ樣を見る每に
あはれ子供よなれも亦
住みて悲しきあさましさ
此世に生れをひたちて
淚の谷へいそぐなる
げに哀れぞと思ひやり
空ゆく雲をながめては
雲のゆくへのきはみなき
深き思に沈むなり
[やぶちゃん注:初出不明。「門邊の兒供」は「かどべのこども」。「門邊」はシチュエーションから門のある家とは思われないから、貧しい民家の家の前の謂いと採る。]