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2019/03/31

和漢三才圖會卷第三十八 獸類 山羊(やまひつじ) (ヤギ・パサン)

Yamahituji

 

 

 

やまひつし 野羊 羱羊

 

山羊

 

サンヤン

 

本綱山羊【羊在原野者故名】似羚羊而色青大如牛善鬪至死其

角長惟一邊有節節亦疎大不入藥用堪爲鞍橋其皮厚

硬其肉頗肥有大小二種大者角盤環肉至百斤

 

 

やまひつじ 野羊 羱羊〔(げんやう)〕

 

山羊

 

サンヤン

 

「本綱」、山羊【原野に在る羊なり。故に名づく。】羚羊〔(かもしか)〕に似て、色、青。大いさ、牛のごとし。善く鬪ひて、死に至る。其の角、長く、惟だ一邊に〔のみ〕節〔(ふし)〕有り。節も亦、疎大にして[やぶちゃん注:大きいが粗雑であるから。]、藥用に入れず。鞍橋(〔くら〕ぼね)に爲〔(す)〕るに堪へたり。其の皮、厚く硬し。其の肉、頗る肥え、大小二種有り、大なる者は、角、盤環し、肉、百斤[やぶちゃん注:明代の一斤は五百九十六・八二グラムであるから、五十九・六八キログラム。]に至る。

[やぶちゃん注:既出の畜類の「羊」(哺乳綱鯨偶蹄目ウシ科ヤギ亜科ヤギ族ヤギ属 Capra)は古くから家畜化されていたので(ウィキの「ヤギ」によれば、『新石器時代の紀元前』七『千年ごろの西アジアの遺跡から遺骨が出土しており、家畜利用が始まったのはその頃と考えられている。従って、ヤギの家畜化はイヌに次いで古いと考えられる。しかしながら、野生種と家畜種の区別が難しく、その起源については確定的ではない。またパサン(ベゾアール)が家畜化されたと考えられているが、ヤギ属他種との種間雑種に由来する説もある』とある)、ここはそれが野生化したものととってよかろう。現行では、前に出た家畜のヤギの原種として現生するヤギ属パサン(ノヤギ・野山羊)Capra aegagrus が考えられているが、同種は、現在、中国には棲息しない。しかし、アゼルバイジャン・アルメニア・イラン・グルジア・トルクメニスタン・トルコ・イラン東部・パキスタンといった中国の西方一帯が棲息地であり、同種の繁殖期の♂は♂同士で直立して角を強調して威嚇したり、角を激しく打ちつけ合って争うので、これを同定種に挙げても問題はないかも知れない。本文では「大なる者は、角、盤環」、大きな個体では角が輪のように廻っている、と言っており、パサンは♂♀ともに有角で、半月状を成し、先端が内側へ向かう♂では最大一メートル三十センチメートルを超すサーベル状を成し(♀の角は約二十~三十センチメートルで短い)、ウィキの「パサン」によれば、『角の断面は扁平な三角形』で、『角の基部から上部後方にかけて稜状の隆起があり、先端方向の稜には瘤がある』。『角の表面にはわずかに横皺が入る』とあって、本文の「節」の叙述とも類似性があるように思われる。

 

「羚羊〔(かもしか)〕」前項

「善く鬪ひて、死に至る」単に闘争の様子が激しいことを指し、ヤギ類では相手を死に至らせるまでの闘争をすることは、まずない。人間とは違う。

「大小二種有り」パサンには亜種が三種(カフカスパサンCapra aegagrus aegagrus・シンドパサンCapra aegagrus blythi・クレタパサンCapra aegagrus cretica。但し、最後のそれはクレタ島のみなので外れる)いるが、これは恐らく雌雄や年齢差の違いであろうと思われる。

「鞍橋」実際に和語でこれで「くらぼね」と読む。馬具の一種。鞍の主要部分を指すが、鞍橋を単に「鞍」という場合もある。前輪 ・後輪(しずわ)・居木(いぎ)から成る。本来は革製であったが、獣骨も使ったのであろう。本邦の一般的なそれは木製であったようで、正倉院に朝鮮鞍式 (大陸系) のものと和鞍式の二種類が残る。]

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