友情消ゆ 國木田獨步
友情消ゆ
貧しきを泣かむや
名無きを泣かむや
少年の春の經過を泣かず
落々たる雄心の消磨を泣かず
殘灯に對して默坐す
冷かなる淚一滴
蒼顏をつたはるは
世にも深かりし友情の
餘りはかなく
消えたれば
[やぶちゃん注:「獨步遺文」より。本篇を以って底本の「詩」パートは総てを終わっている。]
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友情消ゆ
貧しきを泣かむや
名無きを泣かむや
少年の春の經過を泣かず
落々たる雄心の消磨を泣かず
殘灯に對して默坐す
冷かなる淚一滴
蒼顏をつたはるは
世にも深かりし友情の
餘りはかなく
消えたれば
[やぶちゃん注:「獨步遺文」より。本篇を以って底本の「詩」パートは総てを終わっている。]