高峯の雲よ 國木田獨步
高峯の雲よ
高峰の雲よ心あらば
乘せてもて行き此我を
大海原のたゞ中の
人なき島に送れかし
斯くて此身は浮世より
消え失すとても此我は
天地(あめつち)廣き間にて
人とし生きむ、しばしだに
[やぶちゃん注:「高峯」「高峰」の混在使用はママ。孰れも「たかね」と訓じておく。確定資料では無論ないが、死後の出版の「獨步詩集」(大正二(一九一三)年東雲堂書店刊)では本文の「高峰」に「たかね」とルビを振っている(但し、同詩集の標題は「高峰の雲よ」である)。「獨步遺文」より。]
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高峯の雲よ
高峰の雲よ心あらば
乘せてもて行き此我を
大海原のたゞ中の
人なき島に送れかし
斯くて此身は浮世より
消え失すとても此我は
天地(あめつち)廣き間にて
人とし生きむ、しばしだに
[やぶちゃん注:「高峯」「高峰」の混在使用はママ。孰れも「たかね」と訓じておく。確定資料では無論ないが、死後の出版の「獨步詩集」(大正二(一九一三)年東雲堂書店刊)では本文の「高峰」に「たかね」とルビを振っている(但し、同詩集の標題は「高峰の雲よ」である)。「獨步遺文」より。]